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WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/20  [PR]

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  • :2024/09/20/05:57

2009/10/20  ホルモン注射についての考察

まずは、ホルモンについての考察です。
長くなりそうなので注射打つまでの流れを幾つかの記事に分けますが、おそらくコレだけでもかなり長くなるかと思われます。
ただ、これからホルモン打つにあたってリスクに不安があるに人は、ある程度の参考になるかとも思います。
(但し、あくまで一経験的な話ですので、書いてあることは参考程度にして、不安は自分の主治医にきちんと相談してから自己責任で始めて下さい)
 
診断書もらって、約3ヶ月悩みました。
40年間なんとか手つかずで生きて来れた僕にとって、ホルモンはどうしてもリスクの方が怖かった。
年齢を考えても、ホルモンの効果が見違えるほどあるとは思えなかったしね(ホルモンは若いほど効果が早く、高いと言われている)。
期待しすぎると落胆する結果になる確率の方が高い。
 
だけど、違和感は日々増し、それに伴って家の外での生活もしづらくなって八方塞がり。
ホルモン注射に躊躇しながらも、ミクロゲンパスタ(※1)とかはモミアゲ(※2)に塗ってみたり。
 
  ※1
  いわゆる育毛用の塗布薬剤。女性の無毛症にも使う。
  主成分はテストステロン・・・つまりは男性ホルモン。
 
  ※2
  俺はモミアゲが普通の女性より全く無く、そのお陰で短髪に出来ない(泣)。
  ヒゲよりもモミアゲを渇望している現状(涙)。
 
結局のところアタマだけで考えてるうちは、きっとこのまま一生、前にも進めなきゃ後ろにも退がれない。
ヘタすりゃ3年後も5年後も10年後も、同じこと言って悩んでるかもしれない。
だったら、ヤケクソとか勢いとかはいいことじゃないが、そういうキッカケでもなきゃ踏ん切りつかないんじゃないか?
と本気で思って、半ば勢いだけで産婦人科の予約を取った。
だから、予約日当日まで、ずーっと悩んでいた。
つか、医師を前にしても、まだ悩んでいた(笑)。
 
一般診療が終わってからの時間だったので、産婦人科の医師は迷う僕にトコトン付き合ってくれた。
本来であれば30分のところを2時間も・・・。
先生、本当にすみません(滝汗)。そしてありがとうございます。
 
ネット上で「性同一性障害の人のための、ホルモン基礎知識」とういうページをプリントアウトして熟読し、大体のところは把握した。
ヘタレと言われようがなんと言われようが、自分の身体に、(身体上は)不必要なものを注入し、それに際してリスクもあるのだから、知識はあるだけあった方がいい。
ある意味それぐらいの覚悟がないと後で泣きを見る。
薬や症状の知識はそれでおおよそ得られたが、こういったものは作用も副作用も大幅に個人差があので、その辺の症例は実際に打ってる患者を診てる医師でないと分からない。
 
ネットのSNSのコミュでたくさんの人を見漁ったが、1回に打つ量、打つ間隔も多少バラつきがある。
そして、効果は大っぴらに書いていても、副作用(望まない影響)について書いている人は少ない。
ほとんどがニキビがひどいという話ばかりだったかな。
 
そりゃ1度かそこらで肝臓が壊れることはないだろうし、骨粗鬆症になることもないだろう。
しかし、肝臓に負担がかかるのも骨が弱くなるのも事実で、それがどの程度のスピードで進行していくものなのか、日常の生活や食習慣である程度カバー出来るものなのかどうか、そこまで書いている人はいなかったし、今までの医師の話でも一切出てきていなかった。
そして、僕が最も知りたかったのはその辺りだ。
 
まぁホルモン投与なんてまだ長期間の臨床例が少なく、実際のところ自分の身体使って人体実験するしかないのだが、それでもある程度のガイドライン的なものは欲しい。
その辺りはおそらく医師によっても意見が違ったりするのだろうと思う。

今回の産婦人科以外に、不正出血で診てもらっていた婦人科医師がいるが、やはり後者の医師の方が捕らえ方が深刻で、リスクも重く考えているフシがあった。
 
だから、とりあえず、打ってくれる医師の経験上と知識でいいので、疑問点は潰してから決めたかった。
いくら覚悟が要るとは言っても、身体壊したくて始める人はいない。
ヒゲが欲しくて始める人はいても、禿げたくて始める人はいないでしょ。
 
1.肝機能についてのリスク
2.骨粗鬆症についてのリスク
3.高脂血症や血栓などについてのリスク
4.卵巣癌や子宮癌など女性器系に関するリスク
5.投与の量と間隔
 
1.については、過剰投与をしなければ、まず心配ないだろうと言われた。
元々肝臓が弱かったり疾患を持っていたりすれば話は別だが、そうでなければそこまで顕著に影響は出ないそうだ。
今までの経験上、肝臓を壊して投与を一時中止するまでに至ったのは、ホルモンを経口で(ほぼ三度の飯並みに)過剰摂取していたMtFの方だけだったそうだ。
ちなみに、酒も、飲み過ぎなければ関係ないとキッパリ言われた。
 
2.については、まず、現在の骨が弱くなければ問題ないとのことだった。
ホルモン注射をしてもしなくても、いずれ人(特に女性)は更年期(閉経)が来て、骨は(意識的に自己メンテしなければ)脆くなっていくので、ホルモンを投与することによって、その弱くなっていく下降線を若干ゆるやかに早める程度のものなんだそうだ。
逆に言えば、更年期の骨粗鬆症を防ぐのと一緒で、運動や食生活で、ある程度防げる(遅らせることが出来る)ということらしい。
更年期に差し掛かっているこの年齢というのが気にかかっていたのだが、打ったからと言ってみるみる骨が弱くなっていく・・・ということはなさそうだ。
確かにスキーの三浦敬三氏も、90代で60代の骨密度だったという話だ。
幸い僕も、量ってもらったところ同年代と比較して標準以上の骨密度だった。
適度な運動、そしてカルシウム、ビタミンDなどに気を遣えば、すぐにどうのということは、まだ心配しなくていいらしい。
 
3.については、おそらくあえて身体が悪くなるんじゃなく、元来男が持っている身体的なリスクの特徴を背負うだけのようだ。
女性は、女性ホルモンによって何かと守られているのよ。
男が早死にするってのもそういうことなのかもしれないし、そもそも男が早死になんじゃなく、女性が長生きなだけなのかもしれない。
高脂血症や血栓というのは、血中コレステロールが関わってくるし、最終的に動脈硬化にもなりやすくなるということなんで、やはり食事を気をつければある程度はコントロールすることは出来る。
例え男でも食事に気をつけて脂モノを控えてる人と、例え女性でも脂モノ大好きでガンガン食ってる人とでは、いくら片や女性ホルモンに守られてるとは言っても、後々ドッチがヤバイかは明らかだ。
ただ、男の場合、脂肪は皮下ではなく内臓に付きやすいので、その辺はホルモン打ち始めたら女性より気をつけたほうがよさそうだ。
 
4.については、いわゆる生理が止まると、内性器の浄化作用が止まることにもなるので、その分リスクが上がるという話だ。
ただ、この現象は、身体が女性ならいずれ必ず経験することになる。
つまりは更年期における閉経だ。
通常の女性であればおおよそ50代で来ると言われているこの閉経状態が、ホルモンを打つと(人にもよるが)即〜数ヶ月で来てしまうので、本来女性が閉経後に背負うリスクがこの年齢で来てしまうということになる。
余談だが、今はストレスなどから若年で閉経が来てしまう人もいて、そういう人は(内性器に関しては)僕らと同じリスクを負っている。
浄化作用が止まるから、癌リスクが高まるし、細菌にも感染しやすい。
閉経すると女性ホルモンの分泌が極度に減り、更年期障害も引き起こす。
それを軽減するために、今では(閉経後の女性に対して)経口から女性ホルモン(ピルやプレマリン)を投与し、更年期障害の症状を緩和したり、閉経後も生理を起こしたりして、癌リスクを減らす治療もあるらしい。
いずれにしても、このリスクは、女性の身体に生まれたからには遅かれ早かれ背負うものなので、摘出しない限りは、マメな定期健診をするしかない。
 
5.はリスクではないが、心配だったことだ。
適量というのはその人の身長体重、その他にホルモン状態や体質などによって様々なので、どれぐらいの量、どれぐらいの間隔で始めればいいのか、自分としてはずっと疑問だった。
効果をアセっていきなり多めで短い間隔から始めると、どちらかと言うと望む効果よりも望まない副作用の方が
激しく出るらしいというSNSの経験者の話も聞いたので。
「今すぐにもヒゲ(モミアゲ?)が欲しい!声を低くしたい!」という気持ちが無いと言ったら嘘になるが(笑)、それよりもニキビだのハゲだのが一気にドーンと出る方が怖い。
もちろん、血や肝臓や骨に真っ先に悪影響が出ることも怖い。
ホルモン剤は1アンプル125mgというものしかなく、250mgの場合は2アンプル打つということになるらしい。
おおよそ、125mgを1週〜10日に1度か、250mgを2〜3週に1度というペースが主流ということだった。
土壇場まで迷ってた僕は、本来であれば、125mgを2週に1というペースでノンビリゆっくり身体を慣らしつつ様子を見て考えていきたいと思っていたのだが、何せ病院が家から2時間かかるところにあり、2週に1回のペースで来るのは出来ることなら避けたかったので、250mgを4週に1回というペースにして問題ないか、医師に聞いた。
イメージ的には、250mgをドーンと入れると、身体にかかる負担もデカイのではないかと不安になったのだが、ホルモンというのは徐々に身体に回って効いてくるものなので、250mgを4週に1回でも、125mgを2週に1回でも、身体にかかる負担に大差は無いと言われて少々安心した。
 
そんなこんなのお話を聞かせて頂いて約2時間。
既に病院は終わりかけで、話の合間に先生や看護士さんが新型インフルの予防接種(5時までだったらしい)を打ちに行ったりと、大変迷惑をおかけしてしまった。
先生は、そこまで話してくれた上で、やはりどこかで迷っている僕に、「今日はこうして話だけで、ムリに打って行かなくてもいいですよ(汗)」と言ってくれた(笑)。
 
だけど、結局、打つことに決めた。
その心模様は、また次の記事で。

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