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WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/19  [PR]

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  • :2024/09/19/23:47

2013/04/15  GIDの扱い 友人知人編

ちょっと言葉悪いけど、GIDって、非GIDからしたら、どう接していいか分からず戸惑う部分があると思う。
ただ、これはGIDに限らない問題でもある気がする。
ほとんど全ての人は何かしらコンプレックスを持っていて、時に、無神経な人から傷つけられたり、相手に悪気がなくても傷ついてしまったり・・・っていうのは、誰でも経験してきていることなんじゃないだろうか。

だからあまりGID、GIDと、そこのところだけをクローズアップして考えない方がいいと個人的には思うし、普段は考えていないのだが、やはりGIDはGIDであるが故に性別問題でダメージを受けることも多いので、このブログではちょっと考えてみたいと思う。
あ、僕がFTMなので例えがFTMになるけど、MTFの方は逆に考えてもらえれば幸いです。

よく聞く話が、「男として扱ってもらえない」「GIDだとカミングアウトしたのに(若しくは恰好や立ち振る舞いでカミングアウトしているも同然なのに)理解してもらえない」といったような、周囲の友人関係などでストレスが生じるケース。
例えが悪いけど、ピーマン嫌いな人に「ウマいってコトを理解して欲しい」とか、猫が嫌いな人に「可愛いんだから好きになって欲しい」と言ったって、(相手に悪気がなくても)難しい。
僕自身、それを無理強いされても、ダメなものはダメだろうと思う。
分からない人にとっては(分かりたくても)理解出来ないし、受け入れることが出来ない人にとっては(受け入れたくても)受け入れることが難しいのだ。

僕自身は、自分の望む方向に近い形で扱って欲しいと求めることは、相手に気遣いを強いてしまうことにもなり、最終的には自分も息苦しくなるので避けている。
ごく自然に男として扱われればもちろん嬉しいが、気を遣って男として扱ってもらうことは(感じ取れるから)かえってしんどいのだ。
おまけに自分自身、40年も女性として扱われて生きてくれば、今更まるっきり男扱いされてもどこか違和感を覚えるというか、落ち着かない。
それならいっそ、相手の思うように、自然に扱ってくれればいいやと思ってる。
時にそれは自分にとってつらく苦しいことになったりする場合もあるけど、GIDである(生まれつきの性別ではない)以上仕方がない。
望まざる境遇に生まれる、思うように生きられない・・・ということは何もGIDに限った話じゃないから、なんでもGIDという境遇、そして性別のせいにして、ネガティブに受け取りたくない。
もっと思い通りにならない境遇に生まれて、だけどそれを言い訳にせず、自分の価値観も他人に押しつけず、強く生きてる人はたくさんいる。
出来るなら、そうありたい。

以前はよく、友人に苛立ったり怒ったりもした。
なぜそんなに苛立つのか考えたら、理解してほしい存在なのに、こちらが望むように理解してくれてないから、だった。
なんて身勝手だったんだろう。
僕を傷つけないように友人が気を遣うようになり、『理解』されているのではなく『気を遣われてる』ことにまた苛立ち、自分の価値観を押しつけ、相手の戸惑いを感じて失望し、どんどん人間関係が歪んでいった。
そんな形で男扱いされても、結局あんまり嬉しくもなかった。
性別以前に、人間として対等でない気がしてきたのだ。
逆に言えば、人間として対等になれたら、どう見られてもいい気がした。
そして、対等になれるかどうかは、相手だけじゃなく、自分の心の持ちようもデカく影響するのだ。

性別は自分という人間を構成する一部ではあるが、人は皆性別だけで生きているわけではない。
性別に違和感がある以上、普通の人より性別を意識してしまうのはごく当たり前と言うか仕方のないことではあるが、そのごく一部だけに過敏になり過ぎ、振り回されてることに自分で気づけば、逆にある程度はコントロール出来るようにもなる気がする。
差別的な考えを持つ人も確かにいるけど、性別を気にしてない人も実はかなりいる。
何故なら、非GIDの人は日常、性別なんか意識して生きてないからだ。
こちらが思うほど周りは神経質でもない気がするんだよね。

僕の理想は、『男になる』『周りに男として見られる(扱われる)』ではなく、『性別なんか意識しなくなる』ことだ。
幸い、だいぶ近い意識で生活出来るようになってきた(まだまだ修行は足りないけど)。
自分が誇示しようがしまいが、相手は僕を社会的に2種類しかない性別のどちらかに当てはめるだろう。
それを気にしていたって仕方がない。
黒く見えるものを白に見ろと強制しても無理なものは無理なのだ(強制される相手も可哀相だ)。
ただ、僕がよりストレスを感じずに済むのは『男性に見られる方』なので、その比率を上げるためにホルモン治療をしている。
それ以上のことは出来ない。
人によってはその先にオペや戸籍変更があると思うが、やはり出来るのはそこまで。
自分を見る相手の主観まではいじれない。

だから、出来ることなら、どう見られるかじゃなくて自分自身の(男でもなく女でもなくFTMという)性別自体を『気にしない』『意識しない』のが一番(思いっきり理想論でスイマセン)。
まぁ僕がそれを完璧にマスター出来ればそもそもGID治療なんか必要なくなるのだろうが、GID故、さすがに治療なしでその境地にまでは至れないだろう(笑)。
なので治療の力を借りつつ、普段、性自認を意識しないポジションまで気持ちを持っていきたい。
非GIDの人々がそうであるように。
そうすれば、いちいち性別に関わる発言でダメージを受けなくても済む。
そして、男が「男だから」とか、女が「だって女だもん」と言って時々性自認を意識するように、時々スルッと「いやいやFTMだから(笑)」と言えるぐらいになりたいね。

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