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WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/19  [PR]

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  • :2024/09/19/23:47

2013/05/01  GIDの扱い 医療機関編

『GIDの扱い 友人知人編』の続編で、『医療機関編』も書いてみようと思う。

友人知人などや他人と違って、病院にかかるということは保険証が関わってくる以上、『戸籍上の性別』まで知られてしまうし、知ってもらわないと問題もあるし、必然的にカミングアウトをしなければならないわけで。
同じように、必然的にカミングアウトをしなければならない場所というのは、例えば、行政機関だったりもあるんだけど(戸籍や住民票に関わる事柄が多いので)、病院の方が関わる機会も多く、また身体のことも絡んでくるので、GIDにとってはとてもシビア。

病院でカミングアウトをすると、毎度ではないけど、対応で複雑な思いしたりする場合もある。
いろいろ気を遣ったり遣われたり、でなければ(悪気はなくとも)無神経な態度や言葉をもらったり。
それにストレスを感じるGIDも少なくないようで、好きでカミングアウトをしてるわけじゃないのに、その上ダメージ受けるような対応されると余計に凹む気持ちは僕もよく分かる。

例えば僕の場合、以前にも書いたけど・・・。
問診票に『性同一性障害』と明記したのに、検診でカルテが男になってて、検尿カップに『男』って書かれたものを渡されたり(正直、検診の時ばかりはトイレもどっちに入ってカップ置いてくればいいのか迷う)。
胸のレントゲンで「上半身脱ぐだけでいいですよ」って言われて、病衣出してもらえなかったり(言うのもメンドくさかったんでホントに脱いでメッシュのナベシャツ1枚になったら技師ビックリしてた)。
上記は僕にとってみんな笑い話なんだけど、そういうことで不快な思いをしたり傷ついたりする人も多くいるし、それ故に病院に行きたがらない人もいるのは健康的にも問題。
パス度が上がってくると、とりわけそういったアクシデントが発生しやすくなるのは事実。

僕はそういう時、まぁ相手に悪意はないわけだし、それだけ「普通の人が『性別の表記』を気にしてない(見てない)んだな」ってポジティブに受け取ることにしてる。
その方が普段の生活で自分もラクに思えるようになるので。

勿論、言われた内容や言い方、態度にもよるから、ポジティブに受け取れないこともあると思う。
以前、一度ホルモン注射のことを話した整形外科の医師から、「それで、いつまで打つの?もうやめたら?」って言われた時には、さすがに何も知らんで余計なこと言うぐらいなら、疾患だけ診察してくれればいいのにって思ったことあった。
でもねぇ・・・「やめたら?」は余計なお世話にしても、健康を最優先に考えるという職業(つまり医師)ならその言葉が出てしまうのも分からないではないし、ジェンダーや婦人科(もしくは泌尿器科)の専門医じゃないから、知らないのも理解がないのも仕方ないっちゃ~仕方なかったのかもしれない(まぁ曲がりなりにも医師なら、例え専門外でも性同一性障害の大まかな知識ぐらい持っててほしかったっていうのはあるけども)。

いろいろ思うところはあるけど、ホル治療はそういった不便も不快な思いも確実に発生してくるだろうということを覚悟の上で、それでも得たい物があったから、僕は自ら治療を選択し、結果的にパス度を上げた。
なので、状況によって「男として扱ってほしい」とか「性同一性障害者(ある意味での女性)であることに配慮してほしい」とか、極力こちらの都合や感情を押しつけないようにしてる(勿論僕も人間なので、内心思いはする)。

医療従事者なら医療従事者らしい気遣いはほしいとこだけど、彼らだって(ほとんどが非GIDの)人間で、同一性障害ではない人に性同一性障害の人間の気持ちや不便を分かれというのはおそらく無理な話なんだろう。
業務的に気を遣ったつもりでも、それがまったくGIDに通じてなかった、かえって傷つける結果になったってことも多分に起こりうる。
その辺の配慮が出来るか出来ないかって、仕事の経験値よりも人生経験や人間性によって随分変わってくるんじゃないかな。
仮に人間性を少々疑うようなリアクションされたとしたら、それはもうこちらがGIDだとかの問題とは別物だし、そういう人間は他の人にも失礼な態度とって問題起こしてるよ。
GIDってことを意識しすぎて物を見てしまうのは、自分が生きやすくあるためにもあまりプラスになるようには思えない。

僕自身だって、誰だって、気をつけてても知らず知らずのうちに人を傷つけてることはあるんじゃないかと思う。
それと同じなら(悪気がなければって前提だけど)向こうも悪いわけじゃないし、当然こっちが悪いわけでもない。
GIDというこちらの心情を主張しすぎると相手も扱いに困って余計にGIDと非GIDとの間の溝が深まりそうな気もするので、僕は流せるところは流して、流せないところはあまりシリアスにならずに、必要があれば申し出るようにしてる。

当然ストレスもある。
でも、余程じゃない限り、相手に悪意がなければ自己責任だと僕は考えてる。
治療をしなけりゃそんなストレスなくて済んだわけだけど、覚悟して治療を選んだのは自分自身だからね。
無論、覚悟なくスタートしてるってのは論外。

ここ数年でパス度が上がって非GIDの人には出来ないいろんな経験したけど、大体はジェンダーの主治医をウケさせる笑い話になってるかな。
最終的には、大抵のことに「だから何?」的な開き直りが出来る境地を目指してます(笑)。

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