忍者ブログ

WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/20  [PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • :2024/09/20/06:16

2013/01/15  女性でパスしたい時

FtMとしてパス度が上がって来ると、当然女性としてのパス度は低くなる。
これは勿論僕としては願ったり叶ったりなのだが、時としてそれが面倒な時がある。

と言っても、誤解しないでほしい。
けして「都合のいい時に都合いい方に見られる都合のいい容姿がほしい」と思っているわけではない。
女性としてのパス度が下がるのは、FtMの自分としては望んでいたことで、そこから生じる不便も当然覚悟の上である。
強調して言うが、不満があるわけではない。

ただ、戸籍がまだ女性である以上、時として女性に見られないといろいろと面倒な場面と言うのも場合によっては確かに存在するのである。
言い換えれば、女性としてパスしないのなら、いちいちその場限りの垢の他人にその都度プライベートな自分の事情(性別)をカミングアウトしなければならないということだ。

例えばその代表的なシーンが、先日も触れた『病院にかかる場合』である(保険証が女記載になっているので)。
とは言っても、病院やクリニックの場合は、その医療機関が自分と合えばそのままホームドクターになってもらって次回いちいち言わなくて済むようになるというメリットもある。
しかし、本当にその場一度限りの場合は、カミングアウトも(しなくて済むものならせずに)女性で通してしまった方が楽な場合もある。

今回、僕はそう遠くないうちに引っ越しすることになり、その物件探しに際して『諸事情』により「女性として通してしまった方がいい」という判断をした(諸事情の他、男で通しても後々住民票を出すのでバレるし、内見の段階で会う営業に都度都度片っ端からカミングアウトする精神力を維持するのもキツかったので)。
その『諸事情』ってやつに関しては、話し始めると長くなるから、この際省く(あくまでも僕のプライバシーに抵触する事情なので)。

とにかく、物件を決めるにあたって内見をするわけで、その際毎回不動産屋の別の営業と会わなければならないわけである。
肌は焼いていて黒く、体つきは筋肉質、話せば声は(女性にしては)低く、物件上がるのに靴を脱げばその靴がデカく(26~27cm)、モミアゲなども(女という見方をすれば)濃く、化粧っけはまるでなく、ヒゲエリアもどことなく薄っすら青い僕が、今さらすんなり女性に見られることは少しだけ難しい。
幸い身長が高くなく(160cm台)、顔が童顔(若干アライグマ顔)で、髪が短くない(男性のロン毛レベル)なのが性別不詳にごまかしてくれてる感じだ。

あれこれ努力してはみたが、やっぱり多少不審な感じは否めなかった気がする
最終的には、ニット帽とデカ縁のセルメガネ、もしくはニット帽とマスクでごり押しした感じだった。
服装は、足の筋肉や丸みのなさが分かりにくくなるブーツカットのジーンズと、良くも悪くもあえて体のラインの出るような多少ピタッとしたロンT、更にはウェストのくびれが強調されるAラインのダウンジャケット(服のjストックの中ではそれが精一杯だった)。

声は、もうトーンを上げるしかない。
幸い年齢が年齢(40代半ば)なので、しゃべりがスムーズであれば多少ハスキーだろうが低かろうが、極度じゃない限りはオバサン声として許される(若かったら厳しかったかもしれない)。
遠い昔に営業事務をしていた関係で、事務的なしゃべりは不得意ではない。
事務的な場では女性も極端に女性言葉は話さないし、丁寧語を堂々と話していれば、電話でもなんとか女性として通った。

肌の色は変えられないから、服装などでとにかく露出を少なくしてごまかす。
白は黒さが強調されるから、かえって黒っぽい服にした。
最終的にツッコまれたら(ツッコまれなかったが)、「サーフィンが趣味なんです!」とか「バリ島帰りなんです!」とでも言おうと思っていた(ついでに言えば、サーフィンやってると女性でも上半身はがっしりするし)。

まぁ以前『映画のレディースデイ』の記事で言われたことあったけど、ホル治療してるのに女性として通そうとすることはあまりよろしく思われないらしい。
言いたい気持ちも分かるので、その考え方を頭ごなしに否定する気はない。
無論、僕にしたって、パス度がかなり上がった今となっては、レディースデイに女性料金で映画を観ようなんざ微塵も思わない。
ただ、とにかくオペしてなくて戸籍も女性のままだと、時として社会的に非常に中途半端な位置づけの性別にされるシチュエーションもあり、(戸籍に対して)嘘をついて男と通すか、(心に対して)嘘をついて女と通すか選ばなければならない場面もあったりする。
今回、それを改めて痛感させられた。

勿論、僕が選択したのとまた違う道というのもあるだろう。
選ぶ道は人それぞれであって、僕のパターンはあくまで一例だ。
ただ、ホル治療に踏み切ると、そういう些細な場面で面倒くさいことをいろいろ考えなければならない時もあるということを参考にしてもらえれば幸いです。


参考記事;
『過去の記事を読み返して』
『賛否両論』
『レディースデイ』

拍手

PR

+コメントの投稿+

+NAME+
+TITLE+
+FONT+
+MAIL+
+URL+
+COMMENT+
+PASS+
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

+TRACK BACK+

+TRACKBACK URL+