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WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/20  [PR]

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  • :2024/09/20/10:27

2009/12/09  困ったチャン

とあるサイトでGIDに理解ある人と話をした。
まぁ理解あるとは言っても、要するに、GIDと分かっても離れて行かなかったというだけなのだが。
 
「身体が女で、心が男なんでしょう?」と、言われた。
まぁ厳密に言えば微妙に違う気がしたが、細かく説明するのは面倒だったし、説明したところで理解してもらえるとは思えなかったし、的外れなわけでもないから、そのまま肯定した。
 
「トイレはどうするの?」とか、「好きになるのは女の子なの?」とか、お決まりの質問をされ、答える際、向こうの想像と違う答えが含まれると不思議がられ、挙句の果てに、人それぞれ違うと思うっつってんのに、他のGIDまで否定してるような意味に摩り替えられて批判された。
(例えば障害者用のトイレを出来るだけ使いたくないという考えとか)
↑お袋が障害者なので排泄の大変さが分かるから
 
あぁ・・・メンドクサイ。
 
その後、そのサイトで会うたび話題は、「身体が女で、心が男」の人のこと。
ちなみに本人はセクマイではない。
申し訳ないが、昔で言う“おこげ”なのか?とか思ってしまった。
 
そりゃ僕ら、社会で差別されることも多い。
差別されるから、本当の自分を隠し、息を潜めて暮らしてる。
だから理解者に出会えれば嬉しい。
でもさ、僕はそればっかで生きてる人間でもなければ、そればっかりで中身が構成されてる人間でもない。
GIDって部分以外は、楽しいことでは笑い、悲しいことでは泣き、趣味もあれば苦手なこともある、普通に日常生活送ってる人間です。
なのにその話題ばっかしか振ってこないって、それって好奇心、若しくは同情って名前の差別なんじゃないの?(笑)
 
ある日、またその人からメッセージが入った。
いきなり「XXって人、知らない?」ときた。
「知らないけど、なんで?」って返したら、「その人、身体が女で、心が男で」ときて、「話してる途中で落ちちゃったから・・・」と。
 
あのさ、またその話題?
つか、その共通点だけで俺が全員知ってるわけないでしょ。
 
確かに、理解者がいたら嬉しい。
仲間がいるのも嬉しい。
でも、そこだけで固まりたいとは思わないし、その話題だけで人と繋がりたいとも思わない。
 
ぶっちゃけ、申し訳ないけど、嫌気がさした。
 
僕らは確かに男でも女でもない。
だから社会的には差別されやすいのかもしれない。
でも、弱者とは限らない。
どっちでもないという考え方もあれば、どっちでもあるという考え方もある。
ただ単にHYBRIDとかハーフってだけなのだよ。
同情される言われもない。
弱者と強者や優劣って、人が価値観で勝手に決めるものであって
実際にはそんなもの大して無いワケで。
まぁある意味・・・X-MENのミュータントみたいなもんなのかもしれないじゃん?
あ、それは言いすぎ?(笑)

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2009/10/20  ホル注決意までの流れ

ホルモン注射を打つにあたって、医師に見抜かれたとおり、決められないのだ。

そもそも何もしなくても、老化現象にビクビクしているお年頃なのだ(笑)。
打たなくてもいずれやってくる閉経と、それに伴って上がる癌リスク。
閉経は嬉しいが、癌リスクは全く嬉しくない(癌家系だし)。
なのにわざわざ自らそのリスクを早めに上げようというのだ。
ヘタレと言われようがなんと言われようが、親父も祖父も癌で亡くし、血管詰まって右半身不随の障害者になってるお袋を看てきた僕にとって、ホルモン注射に伴うリスクは恐ろしいことこの上ないのだ。

だから、本来やらなくて済めば喜んでやらないだろう。
女性ホルモンが出てる間は少しでもそのリスクを減らしてくれるなら、女性ホルモン様様なはずだ。

なのに、それでもなぜこんなに迷う?
なぜそんなに怖いのに迷う?
なぜそうまでして打ちたい?
なぜそうまでしないと苦しい?
なぜ女性ホルモン万々歳で生きていけない?
 
それはやっぱり僕にとって、その恐怖と同じぐらい性別の違和感が苦しいからだろう。
 
恐れが無い、もしくはさしたるものでなければ迷わない。
まだ親父も癌で死んでなく、お袋も脳出血で倒れておらず、病気にも老いにも鈍感でいられる年齢であれば、迷わず喜び勇んでとっとと決めていたかもしれない。
 
しかし、今は怖いものがたくさんある。
そして、それほど恐れているのに、それと引き換えにしてでも手に入れたいものがある。
 
だったら勢いだけでやれる時にやっちまうしか無いだろう。

それともこのままグダグダ迷って後悔しながら、残り短い人生、老いて死んでいくのか?
 
答えは、NOだ。

ただ、1つだけ、自分の中で動かない気持ちがあることも事実だ。
まるっきりの捨て身にはなれない、という気持ちだ。

ホルモンの作用は不可逆だとは言うが、実際の話を聞いていると、そうでない場合もある。
もちろん、必ずしも戻ると約束は出来ないし、戻らないものも多いので、不可逆を前提に、それを覚悟の上で踏み出すことを求められる。
ある意味、一時の思い込みで安易に進むのを防ぐ意味で、それは当然だろう。
当たり前であって、その覚悟はある。
 
だが、どうもカウンセリングの医師(とりわけセカンドの医師)と話をしていると、時折、打ったら一生打つ!みたいなことを求められているように感じる。
覚悟をシッカリ肝に銘じさせるのはいいのだが、それを求めるあまり、一方通行で方向転換の利かない人間を作り出してはいないだろうか。
 
迷い続けるぐらいがちょうどいいのではないかと、最近僕は思う。
さっき、まるっきりの捨て身にはなれないと書いたが、僕は、今、とりあえず打ってみた、という気持ちでいる。
 
この考え方は賛否両論だと思うので、あくまで僕個人の意見として書く。
 
男らしくなりたい、男の身体つきに近づきたい、ヒゲが欲しい、低い声が欲しい、いずれ手術もして完全な男になりたい・・・など、FtMは理想があるからこそ、リスクがあってもホル注をスタートする。
その効果が希望通りにリターンする確率は未知数であって、その上、身体を壊す、(場合によっては)寿命を縮める、禿げる、ニキビだらけになる等々の望まない効果も発生する。
覚悟しているとは言っても、身体を壊したくて、命を縮めたくて、ハゲたくて、ニキビだらけになりたくて始める人はいない。
後は、得られるものと失うものの折り合いなんだと思う。
 
不可逆を覚悟するには、それだけの見返りを望む。
男になる!一生打つ!と盲信して走り出す方が、僕は恐ろしく感じる。
見返りの保証などどこにも無いのだ。
1年打って、生理が止まらないという人も中にはいる。
何年打ってもヒゲが生えないという人もいる。
声も大して変わらなかったという人もいる。
そして例えば身体だけが徐々に壊れていくとか、脱毛だけは激しいとか、そうなったら僕は、おそらくホルモンを中止すると思う。
得られるものと失うものの折り合いがつかない。
それでも危険を冒し、金をかけ、打つ意味があるのかと問われたら、僕には無い。
 
そもそも、何かしらの理由でホルモンが続けられなくなる場合もある。
身体を壊したり、金銭的な理由であったり。
その時に、一方通行猛進の気持ちだと、果たしてどうなるのか。

生きていけなくなる。

東大一発合格だけを目指して生きてきて、不合格になって自殺する
そんな人間の心理と非常に似た状態になるような気がする。
 
だから、不可逆への覚悟は確かに必要だが、それと同時に、方向転換できる覚悟もまた、必要なのではないだろうか。
 
身体が女で生まれてしまった。
これはもう変えようのない事実だ。
それをいくらどういじっても、完璧な男になることは死ぬまで無い。
折り合いというのは、どこかで必ず必要なのだ。
 
僕は、「身体は女で心は男なんだよね?」と言われると、それはそれで違和感を感じる。
身体は100%女、心は100%男、という意味に取るからかもしれない。
自分の性別に違和感を感じないで生きてきた人には、そういう言い方でしか表現できず、そういう考え方でしか理解が出来ないんだろうから仕方がないとは思うのだが、ぶっちゃけそれとも少し違う。
 
女として今までの人生の半分以上を生きてきた。
社会生活もそれに合わせてきた。
女としてしてないのは結婚と出産ぐらいだ。

だが、それで外見上だけでも生きやすかったかと言えば、僕の場合はそうでもない。
僕の場合、全てが中間ぐらいにあったからだ。
スポーツもしてないのに、身体は筋肉質。
女と言うにはガッシリしすぎ、男と呼ぶには丸みがありすぎる。
声も、女にしては低く、男にしては高い。
男としてはもちろん、女として生きても、はみ出す。
どちらかの枠にハマれたことがない。
もし女に枠にハマることが出来ていたら・・・もしかしたからあきらめて女として生涯を終えられたかもしれない。
 
そんな自分で生きてくるには、どっちの自分も受け入れるしかなかった。
それが出来なかったら・・・今、僕はここでこうしてブログを打つことなく、とっくにこの世からオサラバしていたかもしれない。
 
そうして約40年間生き延びてきてしまった。
その結果、世間一般で認識されているFtMとは一味違うFtMになった。
時々自分の身体が許せなくて傷つけそうになることはある。
でも、生理とかは(イヤだけど)まだなんとかガマンできるのよ。
だって誰に見せるもんでもないし、40年こなしてきちゃった実績もあるし。
そもそm、ほっといたってあと数年〜10年もすれば上がるだろうし(笑)。
 
それよりも、人と接するのがイヤだ。
「ドッチだ?」って目で見られ続けるのが苦痛だ。
声を出した瞬間、「えっ?」と見られるのが苦痛だ。
女の格好をしてた頃はさすがに「ドッチだ?」はなかったが、それでもやっぱりどこか異質なものを見る目で見られていた。
自分にムリして女の格好をした挙句、それだからたまらん。
 
完全な男になんてなろうとは思ってない。
そんなもんムリだし、そもそも完全な男ってなんだ?
100%男、100%女ってそもそもいるのか?
男にだって女性らしい部分はあるし、逆もまた然り。
全てはパーセンテージの問題だと俺は思ってる。
パーセンテージの高い方の心の性別と、身体の性別が合ってさえいれば、社会で生きていくのに支障が無いし、違和感なんてものを自覚せずに一生を終えられるんだと思う。
これが合わないと違和感を感じる。
だけど、違和感を感じるからと言って、心が身体と逆の性別100%だってことはない。
 
だから、終生男になりたいと願い続けてホル注を打ち続けようとは思ってない。
一生するかもしれないし、しないかもしれない。
そんなものは今の時点で分からないし、決められない。
ただ、今は自分が生きやすいよう、身体を変化させたい、と考えている。
そのために打ち始めたし、望むものと折り合いが付かなければやめる。
もちろん、変化する部分は戻らないであろうという覚悟はちゃんとしている。
 
今まで、この状態で40年間生きてきた。
ガマンすることに慣れているから、いざとなればやめる覚悟もある。
それでも今は打ちたい。
今まで何もしないで苦しんできたから、今度は何かする番だと思う。
心の性別の割合なんて、おそらくGIDじゃない人も、男女混在している。
でも、身体は割合じゃなく、どちらか1種類しかない。
心の割合の多い方と身体が食い違うから、違和感が出て苦しむ。

ホル注打って、自分が生きやすい着ぐるみが欲しい。
世間一般でおおよそ男とみなしてくれる着ぐるみが。
少なくとも、社会的に言われる女性としては、心も身体も規格外でムリ。
 
婦人科の医師にそう伝えたら、達観してるね、と言われた。
達観してるとは思わないけど、フレキシブルな考えを持てなかったら、根は完璧主義の自分だから生きて来れなかったと思う。
だって、出来るんなら生まれたままの男がいいもの。
奇異の目で見られない生き物がいいもの。
難しい説明をしなくて済む規格内の人間でありたかったし、ひと言で済む性別がいいに決まってる。
 
着ぐるみという表現は、人によってはかなり反感を買うかもしれない。
だけど、俺にはピッタリな表現だった。
女性という部分がある以上、俺が男に見えるようになったとしても、それはやはり意図的に手を加えてるもので、着ぐるみなんだと思う。

自分の中の女性部分を完全否定したら、生きていくのがつらいだけだ。
例えばそれは、自分の中の嫌いな部分を好きになる努力をするのと似ている。
目の形が嫌い、鼻の高さが気に食わない、身長が足りない、そういうのも受け入れて昇華しつつ、他の自分の良さも見出せるから、人は社会に出て、人と接して生きていける。
それと同じことなんじゃないだろうか。
 
・・・まぁ僕がこんなこと落ち着いて言えるのも、今、彼女とかいないせいかもしれないな。
彼女がいたら、やっぱ彼女のためにも男ってところに固執したくなるのかもしれない。
 
いずれにしても、そんな想いの流れがあって、いろいろ揺れつつ、ホルモン注射を開始しました。
小難しいこと書くのは、多分最初だけかと思います。
ある意味、気持ちはそういう形で今は固まったんで、今後は身体の変化などを感じたらその都度ご報告していきたいと思います。

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2009/10/20  ホルモン注射についての考察

まずは、ホルモンについての考察です。
長くなりそうなので注射打つまでの流れを幾つかの記事に分けますが、おそらくコレだけでもかなり長くなるかと思われます。
ただ、これからホルモン打つにあたってリスクに不安があるに人は、ある程度の参考になるかとも思います。
(但し、あくまで一経験的な話ですので、書いてあることは参考程度にして、不安は自分の主治医にきちんと相談してから自己責任で始めて下さい)
 
診断書もらって、約3ヶ月悩みました。
40年間なんとか手つかずで生きて来れた僕にとって、ホルモンはどうしてもリスクの方が怖かった。
年齢を考えても、ホルモンの効果が見違えるほどあるとは思えなかったしね(ホルモンは若いほど効果が早く、高いと言われている)。
期待しすぎると落胆する結果になる確率の方が高い。
 
だけど、違和感は日々増し、それに伴って家の外での生活もしづらくなって八方塞がり。
ホルモン注射に躊躇しながらも、ミクロゲンパスタ(※1)とかはモミアゲ(※2)に塗ってみたり。
 
  ※1
  いわゆる育毛用の塗布薬剤。女性の無毛症にも使う。
  主成分はテストステロン・・・つまりは男性ホルモン。
 
  ※2
  俺はモミアゲが普通の女性より全く無く、そのお陰で短髪に出来ない(泣)。
  ヒゲよりもモミアゲを渇望している現状(涙)。
 
結局のところアタマだけで考えてるうちは、きっとこのまま一生、前にも進めなきゃ後ろにも退がれない。
ヘタすりゃ3年後も5年後も10年後も、同じこと言って悩んでるかもしれない。
だったら、ヤケクソとか勢いとかはいいことじゃないが、そういうキッカケでもなきゃ踏ん切りつかないんじゃないか?
と本気で思って、半ば勢いだけで産婦人科の予約を取った。
だから、予約日当日まで、ずーっと悩んでいた。
つか、医師を前にしても、まだ悩んでいた(笑)。
 
一般診療が終わってからの時間だったので、産婦人科の医師は迷う僕にトコトン付き合ってくれた。
本来であれば30分のところを2時間も・・・。
先生、本当にすみません(滝汗)。そしてありがとうございます。
 
ネット上で「性同一性障害の人のための、ホルモン基礎知識」とういうページをプリントアウトして熟読し、大体のところは把握した。
ヘタレと言われようがなんと言われようが、自分の身体に、(身体上は)不必要なものを注入し、それに際してリスクもあるのだから、知識はあるだけあった方がいい。
ある意味それぐらいの覚悟がないと後で泣きを見る。
薬や症状の知識はそれでおおよそ得られたが、こういったものは作用も副作用も大幅に個人差があので、その辺の症例は実際に打ってる患者を診てる医師でないと分からない。
 
ネットのSNSのコミュでたくさんの人を見漁ったが、1回に打つ量、打つ間隔も多少バラつきがある。
そして、効果は大っぴらに書いていても、副作用(望まない影響)について書いている人は少ない。
ほとんどがニキビがひどいという話ばかりだったかな。
 
そりゃ1度かそこらで肝臓が壊れることはないだろうし、骨粗鬆症になることもないだろう。
しかし、肝臓に負担がかかるのも骨が弱くなるのも事実で、それがどの程度のスピードで進行していくものなのか、日常の生活や食習慣である程度カバー出来るものなのかどうか、そこまで書いている人はいなかったし、今までの医師の話でも一切出てきていなかった。
そして、僕が最も知りたかったのはその辺りだ。
 
まぁホルモン投与なんてまだ長期間の臨床例が少なく、実際のところ自分の身体使って人体実験するしかないのだが、それでもある程度のガイドライン的なものは欲しい。
その辺りはおそらく医師によっても意見が違ったりするのだろうと思う。

今回の産婦人科以外に、不正出血で診てもらっていた婦人科医師がいるが、やはり後者の医師の方が捕らえ方が深刻で、リスクも重く考えているフシがあった。
 
だから、とりあえず、打ってくれる医師の経験上と知識でいいので、疑問点は潰してから決めたかった。
いくら覚悟が要るとは言っても、身体壊したくて始める人はいない。
ヒゲが欲しくて始める人はいても、禿げたくて始める人はいないでしょ。
 
1.肝機能についてのリスク
2.骨粗鬆症についてのリスク
3.高脂血症や血栓などについてのリスク
4.卵巣癌や子宮癌など女性器系に関するリスク
5.投与の量と間隔
 
1.については、過剰投与をしなければ、まず心配ないだろうと言われた。
元々肝臓が弱かったり疾患を持っていたりすれば話は別だが、そうでなければそこまで顕著に影響は出ないそうだ。
今までの経験上、肝臓を壊して投与を一時中止するまでに至ったのは、ホルモンを経口で(ほぼ三度の飯並みに)過剰摂取していたMtFの方だけだったそうだ。
ちなみに、酒も、飲み過ぎなければ関係ないとキッパリ言われた。
 
2.については、まず、現在の骨が弱くなければ問題ないとのことだった。
ホルモン注射をしてもしなくても、いずれ人(特に女性)は更年期(閉経)が来て、骨は(意識的に自己メンテしなければ)脆くなっていくので、ホルモンを投与することによって、その弱くなっていく下降線を若干ゆるやかに早める程度のものなんだそうだ。
逆に言えば、更年期の骨粗鬆症を防ぐのと一緒で、運動や食生活で、ある程度防げる(遅らせることが出来る)ということらしい。
更年期に差し掛かっているこの年齢というのが気にかかっていたのだが、打ったからと言ってみるみる骨が弱くなっていく・・・ということはなさそうだ。
確かにスキーの三浦敬三氏も、90代で60代の骨密度だったという話だ。
幸い僕も、量ってもらったところ同年代と比較して標準以上の骨密度だった。
適度な運動、そしてカルシウム、ビタミンDなどに気を遣えば、すぐにどうのということは、まだ心配しなくていいらしい。
 
3.については、おそらくあえて身体が悪くなるんじゃなく、元来男が持っている身体的なリスクの特徴を背負うだけのようだ。
女性は、女性ホルモンによって何かと守られているのよ。
男が早死にするってのもそういうことなのかもしれないし、そもそも男が早死になんじゃなく、女性が長生きなだけなのかもしれない。
高脂血症や血栓というのは、血中コレステロールが関わってくるし、最終的に動脈硬化にもなりやすくなるということなんで、やはり食事を気をつければある程度はコントロールすることは出来る。
例え男でも食事に気をつけて脂モノを控えてる人と、例え女性でも脂モノ大好きでガンガン食ってる人とでは、いくら片や女性ホルモンに守られてるとは言っても、後々ドッチがヤバイかは明らかだ。
ただ、男の場合、脂肪は皮下ではなく内臓に付きやすいので、その辺はホルモン打ち始めたら女性より気をつけたほうがよさそうだ。
 
4.については、いわゆる生理が止まると、内性器の浄化作用が止まることにもなるので、その分リスクが上がるという話だ。
ただ、この現象は、身体が女性ならいずれ必ず経験することになる。
つまりは更年期における閉経だ。
通常の女性であればおおよそ50代で来ると言われているこの閉経状態が、ホルモンを打つと(人にもよるが)即〜数ヶ月で来てしまうので、本来女性が閉経後に背負うリスクがこの年齢で来てしまうということになる。
余談だが、今はストレスなどから若年で閉経が来てしまう人もいて、そういう人は(内性器に関しては)僕らと同じリスクを負っている。
浄化作用が止まるから、癌リスクが高まるし、細菌にも感染しやすい。
閉経すると女性ホルモンの分泌が極度に減り、更年期障害も引き起こす。
それを軽減するために、今では(閉経後の女性に対して)経口から女性ホルモン(ピルやプレマリン)を投与し、更年期障害の症状を緩和したり、閉経後も生理を起こしたりして、癌リスクを減らす治療もあるらしい。
いずれにしても、このリスクは、女性の身体に生まれたからには遅かれ早かれ背負うものなので、摘出しない限りは、マメな定期健診をするしかない。
 
5.はリスクではないが、心配だったことだ。
適量というのはその人の身長体重、その他にホルモン状態や体質などによって様々なので、どれぐらいの量、どれぐらいの間隔で始めればいいのか、自分としてはずっと疑問だった。
効果をアセっていきなり多めで短い間隔から始めると、どちらかと言うと望む効果よりも望まない副作用の方が
激しく出るらしいというSNSの経験者の話も聞いたので。
「今すぐにもヒゲ(モミアゲ?)が欲しい!声を低くしたい!」という気持ちが無いと言ったら嘘になるが(笑)、それよりもニキビだのハゲだのが一気にドーンと出る方が怖い。
もちろん、血や肝臓や骨に真っ先に悪影響が出ることも怖い。
ホルモン剤は1アンプル125mgというものしかなく、250mgの場合は2アンプル打つということになるらしい。
おおよそ、125mgを1週〜10日に1度か、250mgを2〜3週に1度というペースが主流ということだった。
土壇場まで迷ってた僕は、本来であれば、125mgを2週に1というペースでノンビリゆっくり身体を慣らしつつ様子を見て考えていきたいと思っていたのだが、何せ病院が家から2時間かかるところにあり、2週に1回のペースで来るのは出来ることなら避けたかったので、250mgを4週に1回というペースにして問題ないか、医師に聞いた。
イメージ的には、250mgをドーンと入れると、身体にかかる負担もデカイのではないかと不安になったのだが、ホルモンというのは徐々に身体に回って効いてくるものなので、250mgを4週に1回でも、125mgを2週に1回でも、身体にかかる負担に大差は無いと言われて少々安心した。
 
そんなこんなのお話を聞かせて頂いて約2時間。
既に病院は終わりかけで、話の合間に先生や看護士さんが新型インフルの予防接種(5時までだったらしい)を打ちに行ったりと、大変迷惑をおかけしてしまった。
先生は、そこまで話してくれた上で、やはりどこかで迷っている僕に、「今日はこうして話だけで、ムリに打って行かなくてもいいですよ(汗)」と言ってくれた(笑)。
 
だけど、結局、打つことに決めた。
その心模様は、また次の記事で。

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2009/03/12  自然淘汰

この間はAクリニックで、ようやく言葉に出来るようになった自分の考え、自分の方向性ってヤツを医師に初めて主張して、これで僕も少しは開き直って生きれるかもな、とか晴れ晴れしい気分だった。
 
でもな。
 
GIDについて、ネットであれこれ調べて、知識を得れば得るほど滅入ることもある。
ホルモン治療の副作用についても然りだが、結局どうあがいても生きにくいんだな、と。
 
仕事や日常生活についてはパス度のことや、社会に広く認知され受け入れられてないことから、普通の人なら感じないツマランところで落ち込むことが多い。
 
例えばこの間のスノーボードのバッジテスト。
スクールも同時に受講するので、申し込み用紙に名前を書く。
出来れば本名は書きたくない。
でも、申し込みと同時に傷害賠償保険にも入ることになるから、戸籍上の名前じゃないとマズイかな・・・と思って嫌々書く。
結果、合格して認定書もらったはいいが、そこに書かれてるのは本名。
「いいじゃん、名前ぐらい」って周りは思うみたいだけど、本人にとっては結構キツイ。
そもそもリフト券買う時、女性割引された時点でかなり落ち込んだんだけども。
 
しかも・・・最近になって知ったこと。
GIDの場合、カウンセリング受け始めた時点で、その時まだホルモン治療とかオペをやってなくても、生命保険に入れないらしい。
カウンセリングのみで終わった場合入れるのか、という辺りは、まだ未確認。
 
僕は今、ガン保険に入ってる。
タイミングの悪いことに、入ったのはカウンセリングを受け始めて少しの頃。
その頃はまだホルモン治療などまで深くは考えておらず、カウンセリングだけだからと思って、告知書に書かなかったような気がする。
ヘタすりゃ規約違反で保険が下りないと、誰かが言っていた。
近々確かめなきゃらならない。
 
電話して、GIDだと伝えて、説明して・・・考えただけでもイヤになってくる。
 
俺ら、普通の人間だろ?
なんで普通に生きられないんだ?
なんで何するにしてもスマートにいかないんだ?
なんでいちいち一番触れられたくない部分を晒さなきゃならないんだ?
と、たまに怒鳴りたくなる。
 
必要なのは、自分の考えをまとめることより、自分の方向性を見つけることより、やっぱ図太さと肝を据わらせることなんだろうか。
性格上それが難しい人間はどうやって生きてったらいいんだろう。
自然淘汰されるのかな、やっぱ。

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2008/08/31  メモ

次回、医師と会った時、話そうと思ったことを書き留めたメモを見つけた。
伝えたいことはきっとたくさんあるんだが、その場になると時間制限もあってアセって抜け落ちてく。
だからと思ってメモをしたらしく、こう書いてある。
意味不明で支離滅裂なところもあるが、注釈()を入れてそのまま原文を載せる。
 
 
FtM・MtFの人のコンプレックスも、普通の人のコンプレックスも、本人にとっては重く、同じである。
どうにも変えようのないもの・・・GIDであれば身体の性別、普通の人であれば、例えば身長や顔形の骨格などは、変えられない以上、ある程度受け入れて生きていく以外に生き延びる方法はない。
 
それを受け入れられないことが性同一性障害なのかもしれないが、では、ムリヤリ何とか受け入れて生き延びてきた者は、受け入れることが出来たからと言って苦しみがなく、日常生活に支障が無いのか。
(どうも女としてバランスを取って生きてきた期間のある自分のことを言ってるらしい)
 
不自然なものは他人も受け入れないし、自分も受け入れられない。
型通りより、自分にとって自然か不自然か。
髪を切り、言葉を荒っぽくするのが男らしさなのか。
(何故短髪にしないのかと言われたことから来てるらしい)
男は皆そうなのか。
 
背が低いという悩みがあったとして、シークレットシューズを使って不自然になってまで背を高く見せたいと思うのか。
脱いでしまえば、結局背の低い自分という現実がある。
周りが分からなくても、自分だけはその事実を知っている。
 
その人にとって何が自然なのかは、人それぞれ違う。
不自然でありたくないし、「こう見てくれ」と人に押しつけたくない。
押しつけられると、人は拒絶反応を起こす。
でなきゃ、同情して合わせてくれる。
その結果、男として扱われてもかえって自分が惨めになる。
 
自分に自然な姿が一般的に言われるFtMと異なっても、完全な男になれない以上、自分にとって自然な範囲でバランスを取りながら自分の生活やスタイルを心に合わせていきたい。
 
ただ、生理を止める方法は無いものか?
これだけは気が狂いそうになる。

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