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WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/19  [PR]

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  • :2024/09/19/23:39

2013/02/15  戸籍変更の基準

SNSの投稿欄にTVで特集されたGID特集のことが載っていた。
残念ながら僕は見逃してしまったので内容は分からないのだが、その中で、とあるFTMが取り上げられていたらしい。
彼は「不都合が無いのに法律に沿って手術するのは本末転倒なのでは」と、内摘をしていないということだった。
僕なりに解釈すると、「内摘は(自分的には様々な事情やリスクを考慮した上で)躊躇している(若しくは必然性を感じていない)のに、戸籍というものを変えるためだけに、(内摘をしないと認められないという)法律がある故に、意思に反して内摘するのは本末転倒なのでは?」という主旨であろうか(違っていたらごめんなさい)。

戸籍を変えたい理由はいろいろあると思う。
普通に、男性(女性)の生活や権利を手に入れたいから。
社会にも自分の性別を認めてもらいたいから。
好きな人と結婚して家庭を持ちたいから。
いずれの理由でも、本来の性別の戸籍を切望している人たちはたくさんいると思う。

僕自身にとって、戸籍は紙切れに過ぎない。
あればいいとは思うが、そのためだけにオペをしたいとも思わない。
いろんな現状を考えて、悩んで、そういう選択をしたから。
しかし、そのためにオペをしたい人の気持ちは、多少なりとも分かる。
僕だって男性戸籍がない故に、生活に不便を感じてるからだ。
勿論、オペをしなくていいと思っているからそれを「仕方がない」と思えるが、本当に男性戸籍を欲しいと思っている人にとってそれが「仕方がない」で済ませられないことくらい、僕にだって理解できる。
だからといって、その権利を得るためだけに、そこまでの必然性を感じていな人にも多大なリスクを背負わせて内摘をさせる・・・という法律には疑問を感じる。

僕個人は、不都合がまるでないと言ったらウソになるけど、やはりリスクと天秤にかけた結果、個人の判断でしなくてもいいと思ったらしない生き方もありだと思う。
でも、現状の法律で戸籍を変えるためには、しなくてもしたくなくても、手術が必須条件になる。
人によっては「戸籍を変えたければ意思に反してでも手術しろ」となり得る法の規定は非常に疑問だ。

ただ・・・だからといってそこを緩めてしまうと、それはそれで一気に(医学的な問題も含めて)別の問題が噴出してきそうなので、なかなか難しいんだろうな・・・とも思う。
とりわけ個々の多様性に対応するのが苦手な日本だと、この問題の妥協点が見つかるのはもうしばらく先になるのかもしれない。

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2013/01/29  診断書をもらうまで

とあるSNSのトランス系コミュニティ(パブリックにしていいか分からないので一応伏せておきます)に参加させて頂いていて、いろんな意見や疑問などを聞かせて頂く機会に恵まれた。
以前、別のSNSの、非常に偏った考えの人が固まるコミュニティにいた。
そこはあまりにも凝り固まった集団である上、流れている情報がところどころ怪しかった。
また、そこで少しはみ出した意見を言おうものなら叩かれるという経験をして以来、僕はコミュニティ自体が苦手になっていた。
だから今のコミュニティも最初は参加に躊躇ったんだけど、ここでは多くの人が年齢に関係なく大人で、多少相容れない意見に対しても、それはそれで意見としてきちんと聞ける。
素晴らしいと思った。

最初は傍観しているだけだった僕も、たまにではあるがコメントをさせて頂くことが増えた。
意見を交換するという作業は非常に自分のためにもなる。
自分の考えを伝えるために、自分の中で整理して文章にしていく過程で、逆に自分の考えを再発見することができる。
そんなキッカケにもなった自分の『意見』をブログに書き残したいと考えたので、書き下ろし?してみようと思う。

今回は、「診断書をもらうまでどれぐらい病院に通ったか?いくらぐらいかかったか?病院に行く時間や費用があまりない状況でも、やはり1回でも行っておいた方がいいか?」というテーマについて。

僕自身のブログの省略形的な内容にもなっちゃいそうだけど、僕が診断書をもらうまでにかかった期間は約1年だった。
勿論、ファーストでカウンセリングに通っていた先生のもとで、だ。
セカンドの医師の時は非常に早く、それはそれで助かりはしたものの、個人的には正直ベルトコンベアー的な雑さも感じてしまった(勘違いだったらすみません)。
早く診断がほしくて「回数通えばいいのか」って最初は無理して月2で通っていた時もあったから、1年って期間はぶっちゃけ当時はイラついたりもしたけど(笑)、今となってはそれだけの時間が僕にとって必要だったんだと思ってる。

僕は1年間、「診察され診断された」んじゃなく、「自分に向き合わされた」という気がしてる。
僕が僕自身に向き合うためのキッカケを与えてもらい、先生はそういう方向にガイドしてくれた・・・そんな感じ。
自分の嫌な部分や逃げてる部分と向き合わされるのって結構シンドくて、でもそこまで徹底的に自分と向き合った上で治療をどうしたいか答えを出すのには、やはり僕の主治医無しには出来なかっただろうと思う。
医師個々のGIDに対する理解度、洞察力・・・様々なファクターによっても違ってきてしまうから、全ての人が同じカウンセリングを受けられるわけではないし、難しい問題だとは思うけど・・・(僕は医師ではないのであんまり偉そうに言えないけど、やっぱりまだまだ未開拓な診療科だけに医師の実力差は現実にあると思うので・・・)。

肉体的な治療にはどうしてもリスクが付きまとうし、一度始めたら後戻りできない(万一中止したら更なるリスクを背負うことになるし)。
だから独りで悩んでるなら、まずはカウンセリングに行ってみるのもいいと思う。
『カウンセリングに行くこと=肉体的な治療に進むこと』ではないし、GIDだ(と思う)からカウンセリングを受けるってことだけじゃなく、分からないからカウンセリングを受けるというのも全然アリだと思う。
事実、僕も最初はそんなスタンスで通い始めた。

主治医は『答え』をくれるワケではない。
カウンセリングに行って、必ずしも楽になれるワケではない。
『答え』はあくまでも自分で見つけ出すものであって、主治医は『答えを出すまで付き添ってくれる』だけのガイド役だ。
もしカウンセリングを受けて最終的に少しでもラクになれるんだとしたら、それは自分が考えに考え、悩みに悩んだ重さに比例するんだろうという気がする。

心の中の迷路は、自分でしか出られない。
『答えがもらえる』ってスタンスだと、場合によっては「独りで悩んでた方がラクだったかも」って思うぐらい悩むこともあるかもしれない(僕個人の見解だけど)。
最終的に診断書を望むとしても、結果的に診断書が出たとしても、『診断書=答え』でも『診断書=ゴール』でも無いからね。
それは、ただのスタートに過ぎないんじゃないかな。

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2013/01/25  ストレッチは重要

整骨院、行って参りました
初診のところだったので(保険証必要で、ましてガッツリ筋肉触られるので)、毎度のことながら、問診票に『性同一性障害』と強調しての受診です。
毎回相手のリアクションが気になってドキドキするストレスはありますが、今回も比較的スルーしてくれて、ちょっと緊張と気疲れしたけど、あまり凹むような思いもすることなく施術して頂いてきました。

さて、僕の痛みの原因ですが、どうやら坐骨神経痛のようです(年ね)。
ぎっくり腰とかの急性症状に比べて、こういう慢性的な神経症状の方が治りが遅く厄介らしいので、まぁ気長に治そうと思います。

さて、今回思ったのは、やはりストレッチは大事だな、ということ。
ホルのせいだけじゃなく、僕の場合はもともと体が柔らかくなかった、そして今まさに年齢的にも徐々に硬くなり始め、あちこち痛めることが増えてくる年である、という要因がデカいんだけど、参考までに書いておきます。

個人差ありますが、ホルを打つと筋肉がつきやすくなる。
それもあって、ガンガン筋トレする人も多い。
ですが、筋トレと同じぐらい重要なのがストレッチです。

スポーツをしている人なら言われるまでもなくご存じかと思うんだけど、筋肉って付けば付くほど関節の稼働域が狭くなるリスクをはらんでる。
そして体が硬くなるということは、故障のリスクが増えるということにもなる。
だから、筋肉が増えていく過程で、柔軟性も維持しなければならない。
そのためには、筋トレと同じぐらいストレッチが重要なわけです。
アスリートは、筋力トレーニングと同じぐらい、若しくはそれ以上にストレッチを入念に行います。

過去の記事にもあるけど、ホルを打ち始めて一時期、やたらとノビをすることが増えた。
ずっと同じ姿勢でいると、筋肉が固まってしまうような感じで、立った拍子とか、何かの拍子にノビせずにはいられなくなった。
今は大分落ち着いたものの、おそらくこの時期、僕の筋量が増えていたんじゃないかなぁ。
もともとが(筋肉質で)そんなに柔らかくなかった僕の体は、ホルを始めて筋肉が増えて、確実に硬くなった。
筋トレをそんなにガンガンしたわけじゃないけど、そもそもが付きやすい体質な上に、ストレッチをサボり気味だったのが決定打となったようです。
更に言えば、年齢も年齢だけに、なおさら

なんでも年のせいにするわけじゃないけど、やっぱり体の柔軟性は年を追うごとに加速度的に失われていく(男も女も)。
若いうちはきいた無理も、だんだん年を取るとツケが回ってくるって言うのは本当に今痛感してます。
まさかこんな形で腰を痛めようとは・・・。

なので、ホル打って筋量が増えてきているなぁと感じてる人には、ぜひとも日々のストレッチをお勧めします。
体が硬くなってくるのは、たとえば前屈で届いてたところに届かなくなるとか、背中で掻けてたところが掻けなくなるとか、そういう何気ないことで気づけると思うので、それを感じたら(感じる前がほんとはもっといいんだけど)それ以上硬くなる前に、是非ともストレッチして体の柔軟性を維持するよう努めてください。
スポーツやってない人は特に性急な必然性を感じないかもしれなけど、体が硬くなるということは、後々年取ってから高確率で体の故障を引き起こします(僕みたいに)。
なってしまってからストレッチはなかなか難しいので(僕は最近やっと立って靴下履けるまでに回復してきました)、どうか早めの予防を心がけてください。
やらなくて損はあっても、やって損はないと思うので。

去年の夏まではランニングしてて、それでも走る前と後に少なからず柔軟してたのが、足の不調でしばらく走れてないのも災いしたのかな・・・。
まぁでもその足の不調そのものが、硬さから来た可能性高いんだけど(MRIじゃ異常なかったし)。
整骨院の先生曰く、筋肉かなり硬いそうなので(体の柔軟性とかそういう問題じゃないみたい)、回復したら改心してストレッチに励みたいと思います。

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2013/01/10  カミングアウト 病院編

去年の末から今年にかけて書いたけど、初の病院って気が重い。
『女』と思いっきり記載してある保険証出さなきゃならないので。
しかもこっちが寝込んでたりすると、髪ぼっさぼさのヒゲぼーぼー(爆)。
まぁ大して濃くないヒゲとは言っても、さすがに1週間剃らなきゃそれなりに汚らしく目立つわけで。

本当なら問診票と一緒に保険証出したいところなのに、まずは保険証なんだよね。
ただ、ここまで嫌がりはしているけど、少し安心して欲しいのは、保険証出して「ご本人様ですか?」的なことを訊かれたことは(僕の場合は)今まで一度もない。
今の自分が多少なりともパスしてないとは考えにくいので、GIDの認知度も多少は広まって、『外見=あからさまに男、保険証=女性』で察して配慮してくれているのだろうか?

僕は、最初に書かされる問診票について、カミングアウトの機会だと思って書くようにしている。
伝えるのは煩わしいが、伝えておけば後々精神的に楽なのだ。
見た目が男なのに保険証が女性になっていることも、後から突っ込まれなくて済む。
受付で話し、また医師に会って話し・・・と何度も手間もかけずに済む。
まぁざっとしか目を通してもらえないと記載に気づいてもらえないこともあるが・・・。

だから僕は、あえて目立つように『性同一性障害』ということと『ホルモン投与中』であることは書くようにしている。
口頭で説明するよりは、書面の方が伝えやすいしね。

とは言っても、性同一性障害に対して、医師の全てが理解しているわけではない。
そこのところは、ある意味こちらが一歩冷静にならなきゃならない時もある。
以前、整形外科に行った時、若いドクターに『それで、いつぐらいまで注射はするの?』と言われたことが一度だけある。
いつまでと言われても、基本一生なのだが、基礎知識のないドクターにはその辺りが分からなかったらしい。
仕方のないことだ。

しかしそんな体験も過去一度だけだし、基本、あまりドクターの方からそこに触れてくることはない。
必要があれば触れてくるだろうけど、必要が無い場合がほとんどだから、触れられたことはない。

ああ、そうだ、もう一度だけあるかな。
それは悪い思い出ではない。
ホルモン注射をしている以上、血液検査の数値がどうしても男性基準になる。
しかし僕は保険証が女性なので、検査結果は女性基準で記入される。
項目によっては男性と女性で基準値の違うものがある。
以前ドクターが「この数値は高いけど、これはホルモン治療の影響だね」と説明してくれたことがあった。
僕は特にヘマトクリット数値が高い(多血症気味)ので、ドクター(男性)がそれを見て「僕も若い頃多血症で、よく血を抜いていたんだよ」と笑いながら話してくれた。

そんな程度かな、GIDに関係することで話を振られたのは。

そういえばこの間、新しく移設したジェンダークリニックに行った時、薬が出たので調剤薬局へ行ったら初めての体験をした。
そのジェンダークリニックと薬局とが提携していて話が通っていたのかもしれないが、問診票(みたいなもの)にGIDであることを書き込んだら、薬剤師が来てこんなようなことを言ってくれたのだ。
「領収証は保険証の名前でしか出せないんですが、処方の宛名はご希望のお名前で出せますよ」
要するに通称名で処方してくれるということだ。
ジェンダークリニックのドクターの配慮なのか、薬局の配慮なのか、それとも理解が浸透してきたのかは分からないが、少しずつ社会も変わってきてるのかなぁと感じた。

病院に行くのは毎回それなりにプレッシャーはあるけど、毎回居心地の悪い思いをするわけではない。
問診票でカミングアウトをしてしまったら、後は野となれ山となれ、だ。
GIDであることは、多少珍しいことかもしれないけど、決して悪いことじゃない。
これからも自分の中のプレッシャーと闘いながら、堂々とカミングアウトして、堂々と医療を受けていきたいと思う。

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2012/12/01  保険証の性別記載(追記)

『厚生労働省は9月21日、戸籍上の性別が確認できることを条件に、性別の表記方法は市町村の判断で工夫できるとした通知を出した』という件について、以前の記事で触れたが、ちょっと考えたことがあったので追記したいと思う。

この厚生労働省のお達しは、詳しくはこちらのような内容。
これは本当に、保険証の提示が苦痛なGIDにとっては、革命の一歩だった。
他ならぬ僕自身も、GIDの治療で通っているある程度理解のある病院は別としても、全く関係ない医療機関にかかる際、また、身分証代わりとして提示する際、性別の記載された保険証というのは非常に気が重いものだった。
パス度が低い頃、それを出してすんなり通れば通ったでつらいし、パス度が上がれば上がったで、保険証見せた相手が性別表記に気づいて一瞬見せる「・・・?・・・え?あれ?・・・あ、そうなの?」的なリアクションも(被害妄想かもしれないけど)しんどい。
だから、保険証表記の改革は、僕にとっても喜ぶべき進歩だった。

そこのところは、まず、明確に主張しておきたい。
僕もこの動きに賛同なのだ。

ただ・・・。

ただ、ふと思ったのだが・・・。
例えば、身分証で提示する分にはいい。
実際に男か女かなんてことは、大して重要ではない。
それと、男女で治療に違いのない医療機関(科)にかかる際も、それでいい。
全ての医療機関でカミングアウトしなければならないのは本当に面倒だし、その結果医療機関に行くこと自体が苦痛になれば、病気や怪我の悪化に影響し、日常生活に大きく支障が出てくる(下手すれば命にも関わる)。

しかし、万一男女によって差がある検査結果の数値を診断されたり、薬の投与方法などが違う治療を受ける場合はどうなるのか?
勿論、裏面に(元の)体の性別とGIDであることは明記されているかもしれないが、果たしてそれは見落とされることがないのか?
自己申告できる状況ならいいが、もしも意識のない状態で運ばれ、事情を知っている知人が一緒でなかった場合は?

考えすぎかもしれないし、そもそも血液型を間違えて輸血するような誤解から起こる医療事故が男女の違いで存在するのかどうかも分からないが、不意にそんな懸念も浮かんだので書いてみた。

なぜそう思ったのかというと、意外と医療機関でも性別の記載を注意して見ていない人が少なくないということを知っているからだ(パス度が高くなれば尚更である)。

僕は国保なので、毎年行政の健康診断を受けている。
当然保険証も出すし、問診票兼健康診断票にも予め性別は女性と記載されている。
去年までは病院に予約する際、前もってカミングアウトをしていたから、病院側も(こちらが申し訳なくなるぐらい)配慮してくださって、幸い問題なく健診を受けることができた。

しかし今年の健診は、引っ越した関係もあって、初めての病院で健診を受けることになった。
予約が必要なかったので、性別のことは当日受付で言うか問診票に書けばいいと思って病院へ行った。
受付が混み合っていたため(口頭で事情を言いにくかったので)、僕は渡された問診票に性同一性障害である旨とホルモン治療を受けていることをしっかり書き、且つ女性表記の保険証を渡して順番を待ったのだが・・・。

しばらく待って渡された検尿カップには、しっかり『』と印刷されていた
当然、カルテも『男』

パスしたことは素直に嬉しい。
しかし、である。
黙ってこのままにしていたら後々面倒なことになるのではないか、と考えた(まぁそのまま受けてみて、結果まで男のままスルーされるかどうかを試してみてもよかったのかもしれないが)。
どこかでカルテと保険証記載の内容を照合することになり、もし間違っていると判明したら、後から事情聴取で呼ばれたり、他人の保険証を流用して使ったと疑惑を持たれたり、最悪は健診の受け直しになったりするかもしれない。
そうしたら非常に面倒だ。

おまけに、保険証記載の『女』で健診を受けているのに、『男』のカップを渡されて、一体どちらのトイレに入ってカップを置いてきたらいいのか?
今の僕は普段男性用のトイレに入っているから、男性トイレに入り、『男』と記載されているカップを置いてくる分には特に問題ない。
ホルモンも打ってるし、血液検査の結果や(おそらく)尿検査の結果も、男性の基準値で判断されても大丈夫だろう(と思う)。
だけど、もし結果に『女』(でもある体だ)ということを加味してないと不自然な数値が出たら・・・・・・あぁ面倒くさい。
それならば、今のうちにカミングアウトしておいた方がまだ楽だ。

・・・ということで、泣く泣く看護師さん捕まえて口頭でカミングアウトをし、訂正してもらった。
看護師さんも慌ててカップの記載とカルテを訂正してくれた。
横棒二本引いて、赤文字で『』と・・・(それじゃめちゃめちゃ目立つっつーのに)。
ちなみに、この時は誰もいないのを見計らって女子トイレに入り、ソッコーで提出して逃げるように出てきました、ハイ(笑)。

要するに、言いたいことは「病院の人もそれだけ意外と性別表記を注意して見ていない場合がある」ということだ。
勿論見ている人の方が普通なのかもしれないが、外見上ほぼパスしてると、受付の人や看護師さんも人間であるから、保険証上の記載をうっかり見逃してる人もいるのは事実なのだ。
当然『見ていない』人に当たった方がこちらとしては気が楽だけども、もしも不測の事態(事故や急病)でその人に当たってしまったら・・・本当にそれでも問題ないのだろうか?と不安になる。
表の面に書いていてもそれなのだから、それが裏面となれば尚更そういったことは起こりうるのではないか・・・そんなふうにも思った。
と同時に、『裏面記載』と書かれれば普通に書かれてるより目立つので、かえってそれで見る人の注意を引くような気もした。

まぁ「GIDで治療に踏み切るならそれぐらいの覚悟はしとけ」という根性論の人もいるかもしれないが、治療に踏み切るのは少しでも快適な日常生活を得るためである。
治療上の不便や副作用の覚悟は必要であるかもしれないとしても、適切な医療を受けられない覚悟までしなければならないものなのだろうか。

かと言って、僕は最初にも書いたとおり、『保険証の性別表記形式変更』について、けっして反対ではない。
僕は免許証があるから普段の身分証はそれを出して事を済ますことができるが(免許証には性別表記が無いため写真さえパスしてればほとんど問題ない)、保険証しか身分証明証が無い人にとってはことさら深刻な問題だ。
だから思うに・・・。

ここから先はあくまでも僕の、現実味のない理想論になってしまうのだが。

保険証に性別表記は必要だ。
適切な医療を受けるために、これは必須である。
残念ながら、FtMはSRSしても『元女』の肉体という現実から逃れられないし、MtFも『元男』に変わりはない。
SRSを受けて戸籍まで変えれば記載上変えることはできるが、人は年を取りやがて必ず老いて体を壊す宿命なので、治療上申告が必要な場面がないとは言えない気が(個人的には)している。
その上で、社会上及び医学上、性別は『男女』という区別が浸透しすぎていて、『その他』的な分類を加えて認知してもらうのも即時という点では現実的じゃなく・・・そういった少し事情のある人たちが、その事情を把握してもらった上で、その時の状況に応じた適切な医療を受けるためには、やはり現段階で保険証に性別表記が無くていいとは言い難い。

それならば、いっそ保険証の(性同一性障害という記載も含む)性別というプライバシーに関しては、文字で記載しないで、医療機関では磁気カードとかバーコード、QRコード方式といった形で読み取るようにしてもいいんじゃないかな、と思う。
・・・ちょっと非現実的かもしれないけど(システム構築に税金がかかりそうなので批判も浴びそうだし)。

まぁレンタルショップやその他身分証の必要なところで性別が見えないと、男女共通で使えそうな名前の人の保険証は異性の知人友人彼氏彼女が悪用したりとデメリットがないとも言えない。
その部分は何かしらの対策が必要としても、現段階で同性同士の流用というのは対策がなされてないわけだから、いずれにしてもその辺りは性別関係なく対策が必要なんだと思う。

性別表記を無しにする。
別の表記でプライバシーとして、関係者だけが読み取り可能な情報にする。
そして、読み取った時のPC画面に『元女(男)、性同一性障害による治療中』と表示されても、いちいち驚かれないほどマイノリティーの存在が浸透する。
最終的には、マイノリティーであることが、人に知られることを怯えるような情報(弱み)にならない社会になればいいなぁ・・・と。
いい年して能天気なこと言ってんなって笑われそうだけど・・・そんなふうに思ったりもするわけです(笑)。

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