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WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/20  [PR]

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  • :2024/09/20/05:48

2012/11/06  ホル注開始後の様々な検査

ホルモン注射も3年を超えて、本日69本目の注射の日。
1A(1アンプル)、125mgを打ってもらってきた。
こんな感じの↓を(僕の場合は)お尻にプスッっといくわけです(笑)。
デポー剤は粘度が少々高いため、やや太めの針を使い、ゆっくりめに注入する。
痛点のポイントやその時のナースのテクにもよるけど、痛くない時もあれば痛い時もあります(ちなみに、痛いというより足にピリッときた場合は神経に触れているので、遠慮せず即座にナースに言いましょう。そのまま薬剤を注入されると後々後遺症が残ることもあります)。

2012_1106_165055.jpg 2012_1106_165119.jpg

そして、本日は採血の日でもあった。
血液に異常はないか、肝臓その他にも異常がないか、血液検査をしてもらって調べるわけです(結果は次回だけど)。

僕は年齢もあるし、元々の血が濃いから、念のため(自己判断で)3〜6ヶ月に一度は血液検査をしてる。
聞くところによると、ホルモンを打ちながら血液検査をしない人も少なくないらしい。

一度始めてしまったら自分の体に対する危機感も薄れてしまうのかもしれないけど、時々は検査をした方がいいと思う。
『ホルモンを投与する』ということは、どうしても元来の体にはあまりない異なる成分のものを強制的に入れるわけで、反応や副作用は個人差や体質差あるし、臓器にも負担をかけるし、他の人が何ともないからといって自分も何ともないという保証はない。

病院にもよるかもしれないが、僕は今まで2件の病院でホル注をして、いずれの病院でも血液検査に関しては保険適用でしてもらえた(ただしホル注は保険適用外です)。
フリーテストステロン(男性ホルモン)数値やエストラジオール(女性ホルモン)数値がどれくらいになっているか以外に、WBC、RBC、HGB、HCT、MCV、MCH、MCHC、PLT、AST、ALT、T-Cho、LDL-Choなどなど・・・項目はいろいろある。
ホルモンの影響で、血液の濃度、コレステロール、肝機能などは、体質によっては悪影響を受けるから、たまには気にして検査してもらうことをお勧めする。
金額は、検査項目の数によって異なるものの、僕の場合(保険適用で)おおよそ2500〜3000円前後(一緒にホル注を打つ場合は、加えて通常のホル注料金)。

04月15日のTweetをぜひとも読んで頂きたいが、自己責任によるホルモン投与である以上、自分の健康管理を医師がしてくれると思ったら大間違いである。
僕のかかっている婦人科の先生はお二方ともとても素晴らしく理解があり、僕が尊敬し、信頼している先生でもあるが、余程のことがない限り医師が積極的に検査を指示したりすることはない。
ただし、出た結果に対しては、正しい知識で的確なアドバイスを与えてくれる。
ホル治療の場合、医師とのスタンスは、病気で病院にかかる時とは全く違うんだということを理解しなければならない。

僕は自分から申し出て、医師に検査のオーダーをかけてもらっている。
多血症など血の濃さが気になれば生検を、ホルモン数値が気になればフリーテストステロンやエストラジオール項目を。
コレステロールが気になると話せば、先生がT-Cho、LDL-Choなどを、肝機能が気になると話せばGOT、GPT、γ-GTPなどを追加してくれる。

ホルモンを投与することによって生理という自己浄化作用が止まり、内性器の病気のリスクも増加するため、内診、エコー検査、子宮頸がん検査なども年に一度は申し出て、受けている。
そりゃ抵抗がないと言ったら嘘になるが、女性内性器の病気が重症化して死ぬような結果になったらそれこそ無念だ。
そのためなら、ほんの数分の抵抗など大したことはない。

乳房のマンモグラフィー検査も然りだ。
いずれも頻繁に受ける必要はないと思うが、僕は次回のホル注の際、マンモグラフィー検査も受ける(ちなみにエコーも検討中・・・なぜなら、エコーとマンモではそれぞれ見つかりにくい症状があるので、ダブルで受けると安心だから)。

僕は今まで3年間、大体3ヶ月に一度(たまに忙しいと半年に一度)ペースで血液検査をしてきたが、著しく懸念される不調などはないので、ぼちぼち半年に一度に減らそうかなぁと思っている。
内性器の検診及び子宮頸がん検査は、変わらず1年に一度、マンモグラフィーも同じく1〜2年に一度(エコーはできれば年1回)、骨密度検査は2〜3年に一度で受けていきたい。

ちなみに・・・ホルモンを打つと女性ホルモンの働きが抑えられ、体が女性だと閉経時に近い状態になるため、骨粗しょう症のリスクも(一般の女性より若年齢から)増える。
いきなり骨粗しょう症!ってことはまずないと思うけど、気になる方はたまに検査をして自分の骨の密度の変化を把握しておいた方がいいかもしれない。

あと・・・子宮頸がん検査に関しては、検査の際、ほんの少し細胞を採取するんだけど、ホルモンの影響で内性器の湿り度(?)が減り、細胞をうまく採取できずに、一部の検査結果が『不明』になることも。
これは、閉経後の女性にも同じように時折あるケースだということです。
一部データが『不明』でも、他の数値やデータから総合的に医師が判断してくれるけど、ホルモン注射にはそういったことが付随するという事実も一応書いておきます。

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2012/10/31  性同一性障害の寿命

ネットサーフィンしてたら面白いスレッドにたどり着いた。
『みんなの悩み、みんなで解決 お悩み掲示板』というサイトだ。
初めてこのサイトを見たのだが、性同一性障害のスレに、こんなやり取りがあった。

まずは精神科にかたっぱしから電話してカウセリングしてくれる病院探してみたら?
ホル注を考えるのはその後のがいいよ!ホル注した人で45歳以上生きられた人はいないらしい。
まずは行動!!悩んでても男にはなれないし、胸もなくならないよ!頑張れ!
あの〜45才以上生きた人がいないってのは無いと思いますけど
45歳以上生きられないのではなくただ平均寿命が45歳と言われているだけです。

マジで!? 初耳だよ、それ!!
じゃあ僕、もうすぐ死ぬんだ?? ←44歳
つか、こりゃあ困ったぞ・・・一刻も早く身辺整理しなくては・・・。

確かにホル打つことで身体的にも精神的にもリスクはあるし、生活次第で寿命も縮むとは思うけどさ、45歳ってラインはどっからきたのよ(笑)。
僕、50歳オーバーのGIDの方も知ってるんだけど。

まぁへっちゃらへっちゃら!と思ってしまうよりは、これくらいの懸念を持ってホル注を考えた方がいいんだろうとは思う。
ホル注の臨床例って(特に長い年月って意味で)まだまだ多くないし、ある意味僕らがモルモット。
肉体的女性が男性ホルモンを投与すれば、多血症、高脂血症になるリスク、更にそれに伴う動脈硬化やらその他の病気になるリスクが確実に上がる。
このスレの書き込みは極端にしても、打ってない人と同じだけ生られる保証なんてどこにもない。

それにしても、なんの根拠もない情報が普通に氾濫してるっていうのは怖いなぁ。
さも事実のような書かれ方で。
だけど、何が正しくて何がガセかなんて、最初の段階で判断なんかできないのが普通だよね。
もし僕がカウンセリング前にこれ読んだら、真に受けてるかもしれないと思うし。

できることなら、悩んでる人は(行ける範囲にあるなら)ジェンダー専門外来へ行ってほしいなぁ。

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2012/10/22  震災時のホル注(追記)

先日『東日本大震災直後のホル注』という記事を書いた。
記事中の「震災など緊急事態でのホル注はどうなるだろう?」という疑問に関して調べてみた結果、気になるYoutube動画が出てきたので、追記としてご紹介したい。

映像作家の島田暁氏がアップロードされた動画で、ご自身の主催されるRainbow ACTIONのシンポジウム『被災とセクシュアル・マイノリティ』(5月5日なかのZERO小ホール)の模様だ。
映像は分割してアップロードされているが、その中のNo.14『GIDのホルモン摂取が途切れると』


動画でなくテキストで様子が知りたい方は、NHK福祉ポータル ハートネット『被災地で生活するLGBTの人たちへの支援』を参考にしてみて下さい。

少し長くなるけど、これだけでなく『被災とセクシュアル・マイノリティ』全映像PLAYLISTを通して観てみると非常に興味深い。
島田氏はこの他に、『被災とジェンダーセクシュアリティ』など、セクシュアル・マイノリティのイベント動画を多数アップロードしている。
興味のある方は島田暁氏のYoutubeチャンネルもチェックしてみて下さい。

関連リンク
『被災とセクシュアル・マイノリティ』全映像PLAYLIST
『被災とジェンダーセクシュアリティ』全映像PLAYLIST
島田暁氏のYoutubeチャンネル
Rainbow ACTION主催 島田暁氏ブログ『フツーに生きてるGAYの日常』
NHK福祉ポータル ハートネット LGBT特設サイト−虹色−
NHK福祉ポータル ハートネット テーマ別:LGBT
NHK福祉ポータル ハートネット

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2012/10/20  東日本大震災直後のホル注

2010年から2012年の間、ほぼブログをすっ飛ばしてしまった2011年?。
そんな2011年には、日本国民なら誰もが忘れられない、忘れてはならない東北の大震災があった。

僕が住んでいるのは関東首都圏で、東北ほどの大打撃はなかった。
ただ、屋内外のモノがぶっ倒れたり(160cm以上ある鏡やスタンドライトが全部倒れてた)、引き出しが全部開いてたり、積んであったCDが全崩壊していたという被害はあった。
一番ヒヤッとしたのはベランダに置いてあった車のタイヤ&ホイルだ。
ラックに重ね、カバーをかけて置いてあったのだが、それが丸ごと倒れていた(カバーかけてなかったら手すり突き破って階下に落ちてたかも・・・と思うと恐ろしい)。

震災後に起こった渋滞も凄まじかった。
特に上り方面は数時間かけて1m進むか進まないかのレベル。
電車が全線ストップしていたし、当然と言えば当然なのだが・・・。
関東で大地震が来たら、絶対に県外に逃げることは出来ないな・・・と覚悟した。

震災のあったあの頃、僕はまだホル注を3週250mg(2A)のペースで打っていた。
地震があったのは金曜日。
僕は翌週の月曜日に次のホル注の予約を入れていた。
電車は震災の翌日には動き出していたものの、まだ余震も多発していて、遠い病院に行くのは少々不安でもあり(片道2時間)、また、あの非常時、国中が混乱している最中、果たしていつも通り行っていつも通り打ってもらえるのか?ホルはあるのか?などの心配もあった。

それでも他にアテがなければ行くしかなかったのだが、奇しくも僕は以前、主治医に紹介状を書いてもらっていた。
車で30分も走らないところにある、大きな病院の婦人科医に宛てた紹介状だ。

いつかは2週125mg(1A)に量を減らそうと思っていたものの、遠い病院に隔週で通い続けることは時間的にも交通経費的にもキツイし、なんとかホルだけでも近くで打てれば・・・と、僕は前々から先生に相談していた。
その時紹介して頂いていた病院にもっと早く行っていればよかったのだが、主治医がGIDに対して非常に理解も知識もあって信頼がおけたこと(GIDの外来も多く病院のスタッフも慣れていた)、紹介先はGIDを受け入れた前例がなく、大きな病院で、初診だと時間もかかるだろうし、前例がないとなるとどういう扱いになるのか・・・と、不安もあってついつい延ばし延ばしにしてしまっていた。

しかし、今は非常事態。
できることなら状況が少し落ち着くまでは近間で済ませたい。
ダメもとな気持ちで、病院に電話をかけた。

受付の方はとても丁寧な対応だったが、非常時のため、新規は受け付けておらず予約しか診察をしていないという回答。
そこで、紹介状があること、自分がGIDで、定期的に打たなければならない注射があること、紹介状を書いて下さった先生の病院は遠くて現在の状況下で行くのは難しいこと、近くで処置をしてもらえる医療機関のアテが他にないことなどを説明した(厳密に言えば1軒だけアテがあるにはあったが、この状況下でなお行きたくないクリニックだった)。
すると、事情を聞いた医師が直接電話に出て下さり、僕の話を聞いて診療をご快諾下さった。
地獄に仏とはまさにこのことだ。

あんな時だったので初回の診察は相当待ったが、待つ時は他の科(婦人科以外の科)の前で待たせてくれたり、呼ばれる時は別の入り口から診察室に抜けさせてくれるなど、「そこまでお気遣い頂かなくても・・・?」というくらい配慮して頂き、無事初診察。
先生はとてもサバサバした気持ちのいい方で、僕の話や過去の治療歴を聞いた後、この先しばらくの注射の予約も入れておいてくれた(この病院では注射のみでも先生の診察時に予約が必要なので)。

そんなわけで、僕は震災時も周りの方のご協力でホル注を打つことが出来たのです。
本当にありがたかった。

確かに僕にとってホル注はとても重要なものだが、あの緊急時、本当に命の瀬戸際にいる人たちのニュースを見ながら、どこかで申し訳ない罪悪感を感じることもあった。

あの時、人工透析を始め、緊急性のある医療処置を必要としている方たちがたくさんいた。
被災地ではそのための医療機関・設備・医薬品が足りず、被災地ではないこちらでも医療機関はそういった人たちを最優先に診療していた。

極端な話で言えば、僕はホル注を打てなくても死にはしない(ホルモンバランスが崩れて体調は壊すかもしれないが)。
それでも、次のホル注の予定日が迫っていたために、アセッたし不安だった。
処置してもらわなければ命に関わる人たちのアセりや不安や恐怖は、そんな僕の想像をはるかに超えるものだったろうと思う。
医師も病院のスタッフも、あんな時でもとても親切な対応をして下さったので、それがかえってなんだか申し訳ない気持ちにもなった。

また、被災地にもたくさんいると思われるGIDのことも頭に浮かんだ。
あれだけのケガ人や死者の出た現地で、しかも医療機関や医薬品が足りずに、重度な疾患があったりケガをした人などが優先される中、ホルが打てずに困っていた人もたくさんいただろうと思う。
家屋や家財が流された人の中にはFtMやMtFの方もいて、生活上必要不可欠品(FtMならナベシャツとか)を流されてしまった人もたくさんいたんじゃないだろうか。
また、長期に渡る避難所暮らしでプライバシーを保てない中、風呂などで苦労をした人も少なくはなかったはずだろう。
他にも、GIDだと隠していたのに知られてしまった人、そのためにイヤな思いや差別を味わった人・・・いなければいいのだが、たくさんいるような気もする。

流れるニュースを見ながら、もしここに自分がいたら・・・といろいろなことを考えた。
しかしこれはけして他人事ではない。
今やいつ自分がその立場になってもおかしくはないのだ(東海沖だけじゃなく、千葉東方沖だの東京湾直下だの、果ては富士山噴火まで近いと言われている昨今で)。

その時、どうするか。どうすればいいか。
勿論、まずはGIDだなんだっつーこと抜きで生き残ることと助け合うことがミッションだが、その次に、襲ってくるであろうGID以外の人には分かってもらえない深刻な状況をどう乗り越えるか。
ちょっと真剣に考えてみたいと思う。

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2012/10/01  保険証の性別記載

今年7月03日と先日10月1日に、同じ方のニュースが目に留まったのでメモしておこうと思う。

まずは時事通信社7月03日の記事。

保険証の性別記載裏面に=性同一性障害で配慮―松江市
(時事通信社 - 07月03日 12:05)

 松江市は3日までに、同市の市民団体代表で性同一性障害と診断された上田地優さん(54)に対し、国民健康保険証カードの性別記載を裏面に変更して交付した。厚生労働省によると、保険証表面に性別を表記しないのは全国でも珍しいという。

 上田さんの性別は戸籍上は男性。今年4月から市の保険証は折りたたみ式からカードに変わり、性別がカード表面に記載されることになった。このため、上田さんが「これでは医療機関にかかれない」と表記の変更を市に求めていた。 


続いて読売新聞10月1日の記事。

「性同一性障害」記載の保険証、本人に初交付
(読売新聞 - 10月01日 21:33)

 松江市は1日、心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断された同市在住の市民団体代表・上田地優(ちひろ)さん(54)に対し、表の性別欄には「裏面参照」、裏面に「戸籍上の性別、男(性同一性障がいのため)」と印刷した国民健康保険証を新たに交付した。

 厚生労働省は9月21日、戸籍上の性別が確認できることを条件に、性別の表記方法は市町村の判断で工夫できるとした通知を出しており、今回が初適用とみられる。

 上田さんは心の性別は女性だが、性適合手術をしておらず、戸籍上の性別は男性。上田さんは2007年夏から「男性と書かれた保険証を医療機関で示すのは苦痛」として市に保険証の記載変更を求めていた。新しい保険証を受け取り、「本当は心の性を表記したいが、今回の保険証で99%満足している」と語った。


いまいち詳しいことがよく分からないのでコメントしにくいんだけど、7月交付の保険証は、表面に性別に関する記載が無く(10月の記事で書かれている「裏面参照」も無く)、裏面に性別が記載されていたということだろうか?
そして10月には表面に「裏面参照」、裏面に「戸籍上の性別、男(性同一性障がいのため)」と記載された保険証を再交付したということだろうか。

この記事での7月交付の保険証は、戸籍変更をしていない者・・・と言うか、意見は色々あると思うので、僕個人にとっては、だけど、非常に理想的だ。

戸籍変更をしていなくとも、ホル治療などでパス度が上がった場合、性別の入った証明書関係は確かに面倒くさい。
特に保険証は医療機関にかかるたびに使うから、面倒くさい場面が増える。
ハッキリ言って、現場ではパッと見で分かる性別はいちいち保険証と照らし合わせて確認してないことも多かったりするんだけど(今年の健診で保険証提示したにもかかわらずカルテを男で作られたし)、気づかれれば「あれっ?」というリアクションをされて気苦労もする。
僕はそれがイヤだから、新しくかかる医療機関では毎回問診票を書く時にカミングアウトしてる(にもかかわらず健診では検尿カップの記載が男でどうしようかと思った)。

ただ、何せ医療を受けるわけだから、正しい情報が相手に行かないと怖い気もする。
その時の場面場面で自ら判断して、必要があればカミングアウトできればいいが、万一自分に意識がない時などはそれもできない。
保険証の表面に性別の記載が抜けてても、気づかれない場合もあるかもしれない。
その場合、裏面まで確認してもらえるか分からない。
完パスの身なりであれば、尚更相手は疑問を持たず疑いもせず確認しないかもしれない。
それが何かの命取りになったら困るわけで・・・。

だから、ちょっと引っかかりはあるだろうけど、後の記事の10月交付の保険証は妥当なようにも思う。
性別欄に「裏面参照」とあれば、そんな保険証は一般にはないわけだから、おそらく不思議に思って裏面を確認するだろう。
そして裏面に(彼女の場合)「戸籍上の性別、男(性同一性障がいのため)」と、性同一性障害の文字まで入れてもらえれば、見た受付も納得してくれるのではないだろうか。

戸籍を変えていない以上は戸籍と異なる性別を入れることはできないから、戸籍変更をしてない自分としては、「表面には何も記載せず、こっそり裏面に戸籍上の性別の記載」っていうのが考えられる中でのベスト。
しかし、それだと治療を受ける上で何か問題があったりする可能性もないとは言えない。
そこを考慮した場合、「表面には裏面参照と記載し、裏面には戸籍上の性別と性同一性障がいの表記」っていうのがベターなのかな、とも思う。

いずれにしても、この特例はこの上田さんという方が2007年からあきらめずにずっと望み続け努力し続けてこられた結果であろう。
ご本人は「99%満足」とおっしゃっているそうだから、本当によかった。

こういったことについては、いろんな意見があると思う。
「そもそも性同一性『障害』っていう言葉が嫌いだ」とか、「カミングアウトしなくていい医療機関(例えば歯医者とか?)にまでカミングアウトするハメになる」とか。
だけど行政が公式な交付物で、マイノリティに対してここまで対応したってことの方を僕は評価したい。
大きな一歩だと思う。
願わくば、せめてGIDとかFtMという呼称がもう少しポピュラーになって、そう表記してもらえたら・・・とは思うけど(笑)。
※ とは言ってもGIDのD(Disorder)は障害とか病気って意味合いも含むし、個人的にはFtMって書かれるのも多少抵抗あるんだけど(笑)。

それにしても、『厚生労働省は9月21日、戸籍上の性別が確認できることを条件に、性別の表記方法は市町村の判断で工夫できるとした通知を出した』というのは知らなかった。
たまにはやるじゃん、厚労省(笑)。
じゃあ僕も区役所に交渉したら記載変えてもらえるのかしら?

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