忍者ブログ

WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/20  [PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • :2024/09/20/10:27

2009/12/13  なんちゃってGID?

最近、ある場所で、「最近なんちゃってGIDが急増してて、本当のGIDが病院の予約を取れなくなってきてる」というような書き込みを見た。
 
なんちゃってGIDとは、つまり、思い込みであったり、一時的なミーハーであったり、とか、その辺のことを指すんだろうと思う(ウマく言えないのでニュアンスで理解して下さい)。
 
その人の言いたいことは、分からないでもない。
このところGIDがある程度認知されてきて、確かにそういう実害も、どこかであるのかもしれない。
実際、僕の行ってる病院でも、行き始めた頃に比べて、人は確実に増えているし、予約も取りにくくなってる。
でもしかし、である。
 
そういう増えた人たちの大部分がなんちゃってGIDであると、その人は何を根拠に言っているのだろう。
そうなのか、そうでないのか、判断するのは医師のはずだし、本当のところ、医師でも判断出来ないのではないかと思う。
人の心の奥底の部分、本音など、他人に分かるものじゃない。
なのにどうしてその人は、増えた人の大部分が、なんちゃってGIDであると言い切れるんだろう。
 
そもそも、なんちゃってGIDでもいいではないか。
みんな最初はそうじゃないのか?
それが一時的な思い込みなのか、障害と呼ばれるものなのか、そこを判断してもらうためにクリニックに行くんだろうし、ガイドラインもその判定のためにあるんだろう?
だとしたら、なんちゃってGIDが行ったとしても間違いじゃない。
最初から「僕は(私は)真性のGIDだ」と分かってる人間しか、クリニックに行っちゃいけないってのか?
その判定っていったい誰が何を根拠にするんだ?
仮になんちゃってだとしても、「それはGIDとは違う」と言ってもらうために、クリニックに行く必要はあるんじゃないのか?
あれはダメ、コレはいいなんてカテゴライズするなら、それこそマイノリティの中の差別じゃないのか?
自分らだけは本物だ、お前らとは違うんだという自己顕示からくる陶酔か?
 
差別や批判をされるつらさは、僕らが一番よく知ってるはずだ。
なのに、なぜその中から更なるマイノリティを差別しようとするのか。
それじゃ弱い者が更なる弱い者をイジメるというイジメの構造と同じじゃないか。
 
迷ってる、悩んでる、自分じゃ分からない、そうかもと思いながら違うかもしれない、違うかもと思いながらそうかもしれない、それをある程度明確にするためにクリニックに行くんだろう?
なのに、まだGIDと判定されてない人を大雑把になんちゃってGIDと呼び、GIDが差別してどうするよ?
 
僕は多くのGIDと同じく、子供の頃から性別に違和感を持ってた。
異常なのかな、と迷いながら思春期を過ごした。
それがつらくなった頃、かなりの勇気を振り絞ってセクマイの世界に片足突っ込んでみた。
ところがそこで、差別を垣間見た。
それは、こうだから違う、こうだから仲間じゃない、という一方的なカテゴライズだった。
だからその後、10年以上、再び自分が何者であるか、分からないまま、悩み続けて生きるハメになった。
その時間が無駄だったとは思ってない。
その時間があったからこそ、学べたことも多い。
だけど、もしあの出来事がなかったら、もう少し早く自分の心を自由にしてやれていたような気がする。
GID治療も、もっと少し若いうちから始められていたかもしれないし、そのために余計な人間まで傷つけずに済んだかもしれない。
 
GIDの多くは、そんな思いの一度や二度は味わってきているはずなのだ。
なのにどうして、同じ思いを、あの頃の自分と同じように今悩んでる人たちに、させて平気なのか。
 
そんなこと言ってるお前の方がなんちゃってGIDなんじゃないのか?、なんて思ったりもする。
だって、つらい思いしてきたGIDなら、同じような苦しみや迷いは分かってやれるはずだろう?
初めから答えなんて見えてないことも、分かるはずじゃないのか?
 
なんちゃってGIDも確かにいるのかもしれない。
だけど、直接一人一人を見た医師でもないクセに、そんな風に決め付けた発言をするのは、自分らだけ特別と思いたい、醜い自己顕示欲に他ならない。
 
これからカウンセリングを考えている、性別の違和感を感じている人へ。
こういうくだらない偏見に負けず、クリニックに行って欲しい。
1人で悩んだり苦しんだりせずに、少しでも生きやすい道を見つけて欲しい。
最初は自分が何者かなんて分からなくて当たり前なんだから、ありのままの自分を医師に見せて、判断をしてもらって欲しい。
GIDであるかどうかなんて関係ない。
違和感を感じている時点で、なんであれ、つらいのは確かなんだから。
それだけで君らは充分、クリニックの扉を叩く資格があるんだ。

拍手

PR

+コメントの投稿+

+NAME+
+TITLE+
+FONT+
+MAIL+
+URL+
+COMMENT+
+PASS+
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

+TRACK BACK+

+TRACKBACK URL+