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WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/19  [PR]

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  • :2024/09/19/23:58

2013/05/10  転居手続きの追記(保険証)

実は、住所変更したあの日、保険証の性別記載について聞こうと思い、国民保険課にも行った。
以前にも書いた『厚生労働省は9月21日、戸籍上の性別が確認できることを条件に、性別の表記方法は市町村の判断で工夫できるとした通知を出した』というニュースを受けて、僕の管轄の自治体ではどのような対応が受けられるのかなぁ~?と聞いてみたくなったのだ。

窓口に行って、今更気負いは大してないので、たまたま出てきた男性の担当者に事情を話して聞いてみた。
「保険証の性別記載について、各自治体で工夫して頂けるというお話を聞いたんですが・・・XXX区ではどう対応して頂けるんでしょうか?」
最初は「???」という顔をした受付男性だったが、僕が『性同一性障害なんです』と告げて、今さっき発行してもらった保険証を提示したら、言っている意図を理解してくれたようだった。
彼は特に迷惑そうな顔をするでもなく、ごく自然に(むしろ親切に)「少しお待ちくださいね」と言って、別の部署(おそらく健康保険証のレイアウト?印刷?を担当している部署)に問い合わせの電話しに行ってくれた。
数分間の電話ののち、彼はすまなさそうに戻ってきた。
「今、問い合わせてみたんですが、実は・・・」
なんでも、我が管轄の自治体での保険証は予算の都合上、かなりカツカツの(余白の少ない)レイアウトになっているということで、裏面に別途記載の内容を印刷するスペースが無い、ということだった(笑)。
ちなみに、裏面は臓器提供の意思表示カードになっている。
今回の僕の申し出を参考に今後改善も検討する、ということではあったが、残念ながら現状『別途記載』は難しいとの回答だった。

受付の男性の丁寧な対応と、今年度台紙の印刷の落札をした業者の事情ということ、そして来年度また別の業者が落札する際に改善される可能性もなくはない、という回答から、納得して僕は帰って来たのだが、結論として、やはり『性別の表記方法』については各自治体によっていろいろな事情があるらしい。

僕個人は、性別欄を『無記載』にしてほしいとは思わない。
何故なら、医療機関では意外に性別欄を見られていない場合も多いというのを肌身で感じているので、『無記載』だとかえって気づかれずに男性として処理されてしまい、裏面まで確かめてもらえずに後々問題が起きるケースがあるんじゃないかと懸念しているからだ。
それなら表面に戸籍上の性別(つまり『女性』)と表記されていた方が、面倒くさくない。
それを見て「あれ?」と思ったり、「他人の保険証を使用しているのではないか?」というあらぬ疑いをかけられた時、裏面を見てもらえれば『性同一性障害』と記載されていることで話が早くなり、余計なカミングアウトも直接せずに済んで一石二鳥になるのではないか、と僕は思ったのだ。
ついでに言えば、多数の科にかかる可能性のある総合病院や人間ドック、健康診断では、(僕の場合は)カルテの目立つ場所に分かりやすく『性同一性障害』の旨を記載してほしいと切に願う。

この問題は非常にデリケートで、その人それぞれ、パス度によってもどういった形がベターか変わってくるから、末端の各自治体も非常に手間だとは思うが臨機応変に対応してもらえたら嬉しいな・・・と僕は思っている。
GIDはわりと自治体や行政機関が嫌いな人が多い(気がする)。
だから、こういったことでいい対応をしてもらえれば、少しは信頼関係が築けるのではないだろうか。

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2013/05/02  転居手続き

引っ越して大分経つが、未だ役所に転居手続きをしに行ってなかった
住民票を移さないと免許証の住所変更も出来ないので、いい加減、今日行くことにした。

まぁ滅多に役所絡みの用事はないからいいんだけど、この『役所関係』っていうのもちょっとめんどくさいケースの1つだよね。
住民票、戸籍謄本、保険証、年金等々・・・確固たる戸籍上の性別が記載されているものがほとんどだし(笑)、パス度が上がってくると手続きの際、あちらが「あれっ?」ってことになる。
保険証やカルテで実際はあんまり性別まで見てない病院と違い、不正を防ぐためもあってか、役所の方がしっかり性別欄までチェックしてたりするから、カミングアウトしとかないと面倒なことになる場合もある(あくまで僕の経験上)。

例えば僕が今回やった転入の手続き。
まず書き込んだ用紙を窓口の人が(間違いがないか)チェックするわけで、何も言わないとその時点で「あら、間違ってますよ」みたいになる。
(多分役所関係は絶対しないと思うけど)万が一にも間違ってると勘違いされて勝手に修正されたら大変だ。
保険証記載の性別が『男』になってしまうし、住民票と戸籍が違ってきてしまう。
そうなりゃ嬉しい気持ちはあるけど、住民票や保険証や年金手帳はレンタル屋の会員証とは違うからね
戸籍が女性のままである以上、後々トラブルになったら余計に面倒な、且つ嫌な思いをすることにもなりかねないので、これはやっぱり間違ってもらっちゃ困る。

で、今回僕は、とりあえず性別欄を無記入のまま窓口に持って行き、受付の人の目の前で「ここ、記載し忘れたんで・・・私、こっちなんですよ~(笑)」と『女』の方に○をつけた。
言葉にしない部分は、目で訴えながら(笑)。
受付の人もそれで察してくれたらしく、「あ、分かりました」とすんなり。
こういう時だけは「目で語る、察するという文化のある日本って助かる」としみじみ思った(笑)。

その後、別によそよそしい対応をされることもなく、スムーズに手続きが終わり、転居は完了。
その場で新しい保険証も無事発行された。

まぁ次にまた引っ越さない限りこういう手続きすることもないし、滅多にあることじゃないからストレスはあまりなかったです。
幸いなことに不快になるような態度取られることも一切なかったので、こっちが淡々と(堂々とってほど肩肘も張らずごく普通に)してれば、意外と相手も受け流してくれるのかな?って気もした。
日本人ってとりわけ同調する傾向のある民族のような気がするから(って客観的に言ってますが僕は生粋の日本人です)、相手の態度を警戒する前に自分の態度を自然にしてみるのがいいかもしれない。
むしろ、自分のペースに相手を巻き込むぐらいの気持ちで(笑)。
こっちが警戒してオドオドしたり強気に出たりどう見られるか気にし過ぎたりすると、相手も必要以上に意識して不自然な態度を取ってしまうものなのかも?

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2013/04/20  レンタル会員証

TSUTAYAやGEOで初めて会員証を作った頃はまだホルモン治療前で、パス度も低かった。
服装だけは男性っぽかったが、戸籍上も女性なわけだし、身分証の提示も要るしで、性別欄の「男」に丸をつけるのもなんだか罪悪感があり、かな~り真ん中の「・」寄りの「女」に丸をつけたような記憶がある。
しかしまぁそんな気持ちの問題を店員は知る由もなく、「男」か「女」か、登録にはそれしかないので、おそらくその記述とその頃の見た目や声で「女」と判断、登録された(と思う)。
記憶は定かでないが、その後、TSUTAYAのTサイトに(TSUTAYA会員カードのIDで)登録した時、僕の性別は初期値且つ変更不可で「女」になっていたような覚えがある(多分サイトの情報が会員カードの基本データと共用されてるから)。

ホル注を始めてパス度が上がってくると、TSUTAYAやGEOではこう聞かれることが増えた。
「失礼ですが、ご本人様ですか?」
「このカードのご本人様はご一緒ですか?」
名前や年齢じゃこれは聞かれないと思う。
とすれば、一見してこんなこと聞かれる理由はただ1つ。
登録の性別と来店者の性別が一致していないから。
つまり、カードの登録が女なのに、カードを出してるのは男に見えるから。

最初は非常に戸惑った。
悪いことしてるわけじゃないのに、なんだか性別詐称してるような罪悪感に駆られた。
だからオドオドもしくはシブシブという感じで、うろたえながら答えてた。
ただ、ある時期から、答え方を変えてみたんだよね。
「失礼ですが、ご本人様ですか?」
「はい」
「このカードのご本人様はご一緒ですか?」
「いえ、私のですが?」
※いずれも、迷わずサラッとにこやかに。
 「何か問題でも?」的な堂々とした感じで(笑)。

それからしばらくして、段々とそういうことを聞かれなくなった。
で、最近になって、久々にTサイトにログオンする機会があったんだけど、登録の性別がいつの間にか『男』に変わっていた。
おそらくは、店員が登録時に入力ミスをしたんだと勘違いして、店側で訂正したんだと思う。
僕の本名が、男にもいないわけではない・・・って感じの名前なのも幸いだった。
向こうが勝手にそう思って直したのなら、僕も後ろめたさを持たなくて済む。
性格的に、自分で会員登録時に『男』と記載するのは、嘘ついてるようで嫌だったから。

結果的に、もう面倒な質問をされることもなくなったし、自分の手も汚さずに済んだし(爆)、気にしてなければ何とかなるもんだなぁ。
なんだか『北風と太陽』の話を思い出した。

あ、GEOのPontaカードについてはまだネットで確認してないので、後日分かったら追記します(笑)。

※5月2日追記:
本日、GEOオンラインに会員登録して、情報確認してみた。
やっぱ基本情報の性別は『男性』に修正されてました(笑)。
TSUTAYAやGEOであれだけ何度も「本人か?」って聞かれてたのに最近一切聞かれなくなった理由が、合点いきました。

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2013/02/27  人間ドック

なんだか最近病院尽くし。
今度は人間ドックです。
いろいろ慌ただしくて、すっかり忘れてました。
期限土壇場になって気づいた次第です
慌てて電話を入れて、なんとか受け付けてくれる病院を探しまくり、行って参りました。

僕の場合、声のパス度もある程度あるので、まずは予約入れる際にカミングアウト。
とにかく初めて行く病院は、内心面倒。
だから普段はホル注してもらってる病院にかかるようにしてる。
幸い大きな病院なので大抵の診療科があるし、診察する時、医師は既往歴チェックするためにもカルテに目を通すから、その際にホル注を定期的にしているのを見みれば性別欄見落としてもおおよそ気付いてくれる。
しかし今回、行政から助成金の出る人間ドックを受けるにあたり、残念ながら僕の病院は指定病院に入っていなかった。
で、仕方なしに初病院・・・という次第で。

運がいいのか、僕はまだ病院で性同一性所外を理由に嫌な思いをしたことがほとんど無い。
困った場面は何度かあったけどね(問診票に書いてるのに見落とされて、完パスしてしまったような時に)。
今回も幸い、ごく普通に、採血、検尿、レントゲン、エコー、胃カメラ、乳房の触診まで受けさせてもらった。
僕的に一番つらかったのは、胃カメラより乳房の触診より、直腸の触診でした

で、結果ですが(この記事は、後々になって書いてるんで、もう結果出てるんだけど)。
いやはや、少々引っ掛かりました
重大な疾患ってわけでもないんだけど、問題無しではありませんでした。
現在、ホル注してる病院に検査結果を持って行き、そちらで念のため精密検査をしてる最中でございます。
ちなみに、問題はホルとは全く関係ございません。
私の年齢と不摂生が祟った結果でございます(笑)。

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2013/01/15  女性でパスしたい時

FtMとしてパス度が上がって来ると、当然女性としてのパス度は低くなる。
これは勿論僕としては願ったり叶ったりなのだが、時としてそれが面倒な時がある。

と言っても、誤解しないでほしい。
けして「都合のいい時に都合いい方に見られる都合のいい容姿がほしい」と思っているわけではない。
女性としてのパス度が下がるのは、FtMの自分としては望んでいたことで、そこから生じる不便も当然覚悟の上である。
強調して言うが、不満があるわけではない。

ただ、戸籍がまだ女性である以上、時として女性に見られないといろいろと面倒な場面と言うのも場合によっては確かに存在するのである。
言い換えれば、女性としてパスしないのなら、いちいちその場限りの垢の他人にその都度プライベートな自分の事情(性別)をカミングアウトしなければならないということだ。

例えばその代表的なシーンが、先日も触れた『病院にかかる場合』である(保険証が女記載になっているので)。
とは言っても、病院やクリニックの場合は、その医療機関が自分と合えばそのままホームドクターになってもらって次回いちいち言わなくて済むようになるというメリットもある。
しかし、本当にその場一度限りの場合は、カミングアウトも(しなくて済むものならせずに)女性で通してしまった方が楽な場合もある。

今回、僕はそう遠くないうちに引っ越しすることになり、その物件探しに際して『諸事情』により「女性として通してしまった方がいい」という判断をした(諸事情の他、男で通しても後々住民票を出すのでバレるし、内見の段階で会う営業に都度都度片っ端からカミングアウトする精神力を維持するのもキツかったので)。
その『諸事情』ってやつに関しては、話し始めると長くなるから、この際省く(あくまでも僕のプライバシーに抵触する事情なので)。

とにかく、物件を決めるにあたって内見をするわけで、その際毎回不動産屋の別の営業と会わなければならないわけである。
肌は焼いていて黒く、体つきは筋肉質、話せば声は(女性にしては)低く、物件上がるのに靴を脱げばその靴がデカく(26~27cm)、モミアゲなども(女という見方をすれば)濃く、化粧っけはまるでなく、ヒゲエリアもどことなく薄っすら青い僕が、今さらすんなり女性に見られることは少しだけ難しい。
幸い身長が高くなく(160cm台)、顔が童顔(若干アライグマ顔)で、髪が短くない(男性のロン毛レベル)なのが性別不詳にごまかしてくれてる感じだ。

あれこれ努力してはみたが、やっぱり多少不審な感じは否めなかった気がする
最終的には、ニット帽とデカ縁のセルメガネ、もしくはニット帽とマスクでごり押しした感じだった。
服装は、足の筋肉や丸みのなさが分かりにくくなるブーツカットのジーンズと、良くも悪くもあえて体のラインの出るような多少ピタッとしたロンT、更にはウェストのくびれが強調されるAラインのダウンジャケット(服のjストックの中ではそれが精一杯だった)。

声は、もうトーンを上げるしかない。
幸い年齢が年齢(40代半ば)なので、しゃべりがスムーズであれば多少ハスキーだろうが低かろうが、極度じゃない限りはオバサン声として許される(若かったら厳しかったかもしれない)。
遠い昔に営業事務をしていた関係で、事務的なしゃべりは不得意ではない。
事務的な場では女性も極端に女性言葉は話さないし、丁寧語を堂々と話していれば、電話でもなんとか女性として通った。

肌の色は変えられないから、服装などでとにかく露出を少なくしてごまかす。
白は黒さが強調されるから、かえって黒っぽい服にした。
最終的にツッコまれたら(ツッコまれなかったが)、「サーフィンが趣味なんです!」とか「バリ島帰りなんです!」とでも言おうと思っていた(ついでに言えば、サーフィンやってると女性でも上半身はがっしりするし)。

まぁ以前『映画のレディースデイ』の記事で言われたことあったけど、ホル治療してるのに女性として通そうとすることはあまりよろしく思われないらしい。
言いたい気持ちも分かるので、その考え方を頭ごなしに否定する気はない。
無論、僕にしたって、パス度がかなり上がった今となっては、レディースデイに女性料金で映画を観ようなんざ微塵も思わない。
ただ、とにかくオペしてなくて戸籍も女性のままだと、時として社会的に非常に中途半端な位置づけの性別にされるシチュエーションもあり、(戸籍に対して)嘘をついて男と通すか、(心に対して)嘘をついて女と通すか選ばなければならない場面もあったりする。
今回、それを改めて痛感させられた。

勿論、僕が選択したのとまた違う道というのもあるだろう。
選ぶ道は人それぞれであって、僕のパターンはあくまで一例だ。
ただ、ホル治療に踏み切ると、そういう些細な場面で面倒くさいことをいろいろ考えなければならない時もあるということを参考にしてもらえれば幸いです。


参考記事;
『過去の記事を読み返して』
『賛否両論』
『レディースデイ』

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