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40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 
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今年7月03日と先日10月1日に、同じ方のニュースが目に留まったのでメモしておこうと思う。

まずは時事通信社7月03日の記事。

保険証の性別記載裏面に=性同一性障害で配慮―松江市
(時事通信社 - 07月03日 12:05)

 松江市は3日までに、同市の市民団体代表で性同一性障害と診断された上田地優さん(54)に対し、国民健康保険証カードの性別記載を裏面に変更して交付した。厚生労働省によると、保険証表面に性別を表記しないのは全国でも珍しいという。

 上田さんの性別は戸籍上は男性。今年4月から市の保険証は折りたたみ式からカードに変わり、性別がカード表面に記載されることになった。このため、上田さんが「これでは医療機関にかかれない」と表記の変更を市に求めていた。 


続いて読売新聞10月1日の記事。

「性同一性障害」記載の保険証、本人に初交付
(読売新聞 - 10月01日 21:33)

 松江市は1日、心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断された同市在住の市民団体代表・上田地優(ちひろ)さん(54)に対し、表の性別欄には「裏面参照」、裏面に「戸籍上の性別、男(性同一性障がいのため)」と印刷した国民健康保険証を新たに交付した。

 厚生労働省は9月21日、戸籍上の性別が確認できることを条件に、性別の表記方法は市町村の判断で工夫できるとした通知を出しており、今回が初適用とみられる。

 上田さんは心の性別は女性だが、性適合手術をしておらず、戸籍上の性別は男性。上田さんは2007年夏から「男性と書かれた保険証を医療機関で示すのは苦痛」として市に保険証の記載変更を求めていた。新しい保険証を受け取り、「本当は心の性を表記したいが、今回の保険証で99%満足している」と語った。


いまいち詳しいことがよく分からないのでコメントしにくいんだけど、7月交付の保険証は、表面に性別に関する記載が無く(10月の記事で書かれている「裏面参照」も無く)、裏面に性別が記載されていたということだろうか?
そして10月には表面に「裏面参照」、裏面に「戸籍上の性別、男(性同一性障がいのため)」と記載された保険証を再交付したということだろうか。

この記事での7月交付の保険証は、戸籍変更をしていない者・・・と言うか、意見は色々あると思うので、僕個人にとっては、だけど、非常に理想的だ。

戸籍変更をしていなくとも、ホル治療などでパス度が上がった場合、性別の入った証明書関係は確かに面倒くさい。
特に保険証は医療機関にかかるたびに使うから、面倒くさい場面が増える。
ハッキリ言って、現場ではパッと見で分かる性別はいちいち保険証と照らし合わせて確認してないことも多かったりするんだけど(今年の健診で保険証提示したにもかかわらずカルテを男で作られたし)、気づかれれば「あれっ?」というリアクションをされて気苦労もする。
僕はそれがイヤだから、新しくかかる医療機関では毎回問診票を書く時にカミングアウトしてる(にもかかわらず健診では検尿カップの記載が男でどうしようかと思った)。

ただ、何せ医療を受けるわけだから、正しい情報が相手に行かないと怖い気もする。
その時の場面場面で自ら判断して、必要があればカミングアウトできればいいが、万一自分に意識がない時などはそれもできない。
保険証の表面に性別の記載が抜けてても、気づかれない場合もあるかもしれない。
その場合、裏面まで確認してもらえるか分からない。
完パスの身なりであれば、尚更相手は疑問を持たず疑いもせず確認しないかもしれない。
それが何かの命取りになったら困るわけで・・・。

だから、ちょっと引っかかりはあるだろうけど、後の記事の10月交付の保険証は妥当なようにも思う。
性別欄に「裏面参照」とあれば、そんな保険証は一般にはないわけだから、おそらく不思議に思って裏面を確認するだろう。
そして裏面に(彼女の場合)「戸籍上の性別、男(性同一性障がいのため)」と、性同一性障害の文字まで入れてもらえれば、見た受付も納得してくれるのではないだろうか。

戸籍を変えていない以上は戸籍と異なる性別を入れることはできないから、戸籍変更をしてない自分としては、「表面には何も記載せず、こっそり裏面に戸籍上の性別の記載」っていうのが考えられる中でのベスト。
しかし、それだと治療を受ける上で何か問題があったりする可能性もないとは言えない。
そこを考慮した場合、「表面には裏面参照と記載し、裏面には戸籍上の性別と性同一性障がいの表記」っていうのがベターなのかな、とも思う。

いずれにしても、この特例はこの上田さんという方が2007年からあきらめずにずっと望み続け努力し続けてこられた結果であろう。
ご本人は「99%満足」とおっしゃっているそうだから、本当によかった。

こういったことについては、いろんな意見があると思う。
「そもそも性同一性『障害』っていう言葉が嫌いだ」とか、「カミングアウトしなくていい医療機関(例えば歯医者とか?)にまでカミングアウトするハメになる」とか。
だけど行政が公式な交付物で、マイノリティに対してここまで対応したってことの方を僕は評価したい。
大きな一歩だと思う。
願わくば、せめてGIDとかFtMという呼称がもう少しポピュラーになって、そう表記してもらえたら・・・とは思うけど(笑)。
※ とは言ってもGIDのD(Disorder)は障害とか病気って意味合いも含むし、個人的にはFtMって書かれるのも多少抵抗あるんだけど(笑)。

それにしても、『厚生労働省は9月21日、戸籍上の性別が確認できることを条件に、性別の表記方法は市町村の判断で工夫できるとした通知を出した』というのは知らなかった。
たまにはやるじゃん、厚労省(笑)。
じゃあ僕も区役所に交渉したら記載変えてもらえるのかしら?

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    →オバジサン?→
    →オバジィサン?
Age: ミドルエイジな40代からの
    シニアエイジに片足突っ込んだ50代
About:
TransgenderとかFtMって言葉にほのかな違和感がある。「男になりたい!」とか「男に戻りたい!」っていうよりは、ただ自分らしく自然に生きたいだけ。Sexual-MinorityとかGIDって言葉にはなんとかしっくりくる。確かにマイノリティなんだろうし、社会上ノーマルな価値観から見たらGenderのIdentityに「違和感を感じる」っていうある種の障害があるんだろうから(笑)。
男とか女とかじゃなくて、「見ての通りの自分です」でいいじゃん。どっちかになるためにどっちかを完全否定(排除?)するんじゃなくて、ハイブリッドでいいじゃん。生まれ持った性別は、度合いは違えど死ぬまで背負わなきゃならないんだから、妥協だって大切な選択肢じゃない?妥協点が人それぞれ違うだけで。
現在遂に50代到達( ;∀;)。40歳から第二の人生がスタート。40でジェンダークリニックに通院、41でホルモン治療開始のLate Starter。悩んできた過去は僕の財産。残りの人生は好きに生きたい。
カテゴライズが嫌い。固定観念や価値観の押しつけが嫌い。趣味は身体動かすことと引きこもること。
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