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WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/20  [PR]

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  • :2024/09/20/17:39

2013/05/10  転居手続きの追記(保険証)

実は、住所変更したあの日、保険証の性別記載について聞こうと思い、国民保険課にも行った。
以前にも書いた『厚生労働省は9月21日、戸籍上の性別が確認できることを条件に、性別の表記方法は市町村の判断で工夫できるとした通知を出した』というニュースを受けて、僕の管轄の自治体ではどのような対応が受けられるのかなぁ~?と聞いてみたくなったのだ。

窓口に行って、今更気負いは大してないので、たまたま出てきた男性の担当者に事情を話して聞いてみた。
「保険証の性別記載について、各自治体で工夫して頂けるというお話を聞いたんですが・・・XXX区ではどう対応して頂けるんでしょうか?」
最初は「???」という顔をした受付男性だったが、僕が『性同一性障害なんです』と告げて、今さっき発行してもらった保険証を提示したら、言っている意図を理解してくれたようだった。
彼は特に迷惑そうな顔をするでもなく、ごく自然に(むしろ親切に)「少しお待ちくださいね」と言って、別の部署(おそらく健康保険証のレイアウト?印刷?を担当している部署)に問い合わせの電話しに行ってくれた。
数分間の電話ののち、彼はすまなさそうに戻ってきた。
「今、問い合わせてみたんですが、実は・・・」
なんでも、我が管轄の自治体での保険証は予算の都合上、かなりカツカツの(余白の少ない)レイアウトになっているということで、裏面に別途記載の内容を印刷するスペースが無い、ということだった(笑)。
ちなみに、裏面は臓器提供の意思表示カードになっている。
今回の僕の申し出を参考に今後改善も検討する、ということではあったが、残念ながら現状『別途記載』は難しいとの回答だった。

受付の男性の丁寧な対応と、今年度台紙の印刷の落札をした業者の事情ということ、そして来年度また別の業者が落札する際に改善される可能性もなくはない、という回答から、納得して僕は帰って来たのだが、結論として、やはり『性別の表記方法』については各自治体によっていろいろな事情があるらしい。

僕個人は、性別欄を『無記載』にしてほしいとは思わない。
何故なら、医療機関では意外に性別欄を見られていない場合も多いというのを肌身で感じているので、『無記載』だとかえって気づかれずに男性として処理されてしまい、裏面まで確かめてもらえずに後々問題が起きるケースがあるんじゃないかと懸念しているからだ。
それなら表面に戸籍上の性別(つまり『女性』)と表記されていた方が、面倒くさくない。
それを見て「あれ?」と思ったり、「他人の保険証を使用しているのではないか?」というあらぬ疑いをかけられた時、裏面を見てもらえれば『性同一性障害』と記載されていることで話が早くなり、余計なカミングアウトも直接せずに済んで一石二鳥になるのではないか、と僕は思ったのだ。
ついでに言えば、多数の科にかかる可能性のある総合病院や人間ドック、健康診断では、(僕の場合は)カルテの目立つ場所に分かりやすく『性同一性障害』の旨を記載してほしいと切に願う。

この問題は非常にデリケートで、その人それぞれ、パス度によってもどういった形がベターか変わってくるから、末端の各自治体も非常に手間だとは思うが臨機応変に対応してもらえたら嬉しいな・・・と僕は思っている。
GIDはわりと自治体や行政機関が嫌いな人が多い(気がする)。
だから、こういったことでいい対応をしてもらえれば、少しは信頼関係が築けるのではないだろうか。

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2013/05/02  転居手続き

引っ越して大分経つが、未だ役所に転居手続きをしに行ってなかった
住民票を移さないと免許証の住所変更も出来ないので、いい加減、今日行くことにした。

まぁ滅多に役所絡みの用事はないからいいんだけど、この『役所関係』っていうのもちょっとめんどくさいケースの1つだよね。
住民票、戸籍謄本、保険証、年金等々・・・確固たる戸籍上の性別が記載されているものがほとんどだし(笑)、パス度が上がってくると手続きの際、あちらが「あれっ?」ってことになる。
保険証やカルテで実際はあんまり性別まで見てない病院と違い、不正を防ぐためもあってか、役所の方がしっかり性別欄までチェックしてたりするから、カミングアウトしとかないと面倒なことになる場合もある(あくまで僕の経験上)。

例えば僕が今回やった転入の手続き。
まず書き込んだ用紙を窓口の人が(間違いがないか)チェックするわけで、何も言わないとその時点で「あら、間違ってますよ」みたいになる。
(多分役所関係は絶対しないと思うけど)万が一にも間違ってると勘違いされて勝手に修正されたら大変だ。
保険証記載の性別が『男』になってしまうし、住民票と戸籍が違ってきてしまう。
そうなりゃ嬉しい気持ちはあるけど、住民票や保険証や年金手帳はレンタル屋の会員証とは違うからね
戸籍が女性のままである以上、後々トラブルになったら余計に面倒な、且つ嫌な思いをすることにもなりかねないので、これはやっぱり間違ってもらっちゃ困る。

で、今回僕は、とりあえず性別欄を無記入のまま窓口に持って行き、受付の人の目の前で「ここ、記載し忘れたんで・・・私、こっちなんですよ~(笑)」と『女』の方に○をつけた。
言葉にしない部分は、目で訴えながら(笑)。
受付の人もそれで察してくれたらしく、「あ、分かりました」とすんなり。
こういう時だけは「目で語る、察するという文化のある日本って助かる」としみじみ思った(笑)。

その後、別によそよそしい対応をされることもなく、スムーズに手続きが終わり、転居は完了。
その場で新しい保険証も無事発行された。

まぁ次にまた引っ越さない限りこういう手続きすることもないし、滅多にあることじゃないからストレスはあまりなかったです。
幸いなことに不快になるような態度取られることも一切なかったので、こっちが淡々と(堂々とってほど肩肘も張らずごく普通に)してれば、意外と相手も受け流してくれるのかな?って気もした。
日本人ってとりわけ同調する傾向のある民族のような気がするから(って客観的に言ってますが僕は生粋の日本人です)、相手の態度を警戒する前に自分の態度を自然にしてみるのがいいかもしれない。
むしろ、自分のペースに相手を巻き込むぐらいの気持ちで(笑)。
こっちが警戒してオドオドしたり強気に出たりどう見られるか気にし過ぎたりすると、相手も必要以上に意識して不自然な態度を取ってしまうものなのかも?

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2013/05/01  GIDの扱い 医療機関編

『GIDの扱い 友人知人編』の続編で、『医療機関編』も書いてみようと思う。

友人知人などや他人と違って、病院にかかるということは保険証が関わってくる以上、『戸籍上の性別』まで知られてしまうし、知ってもらわないと問題もあるし、必然的にカミングアウトをしなければならないわけで。
同じように、必然的にカミングアウトをしなければならない場所というのは、例えば、行政機関だったりもあるんだけど(戸籍や住民票に関わる事柄が多いので)、病院の方が関わる機会も多く、また身体のことも絡んでくるので、GIDにとってはとてもシビア。

病院でカミングアウトをすると、毎度ではないけど、対応で複雑な思いしたりする場合もある。
いろいろ気を遣ったり遣われたり、でなければ(悪気はなくとも)無神経な態度や言葉をもらったり。
それにストレスを感じるGIDも少なくないようで、好きでカミングアウトをしてるわけじゃないのに、その上ダメージ受けるような対応されると余計に凹む気持ちは僕もよく分かる。

例えば僕の場合、以前にも書いたけど・・・。
問診票に『性同一性障害』と明記したのに、検診でカルテが男になってて、検尿カップに『男』って書かれたものを渡されたり(正直、検診の時ばかりはトイレもどっちに入ってカップ置いてくればいいのか迷う)。
胸のレントゲンで「上半身脱ぐだけでいいですよ」って言われて、病衣出してもらえなかったり(言うのもメンドくさかったんでホントに脱いでメッシュのナベシャツ1枚になったら技師ビックリしてた)。
上記は僕にとってみんな笑い話なんだけど、そういうことで不快な思いをしたり傷ついたりする人も多くいるし、それ故に病院に行きたがらない人もいるのは健康的にも問題。
パス度が上がってくると、とりわけそういったアクシデントが発生しやすくなるのは事実。

僕はそういう時、まぁ相手に悪意はないわけだし、それだけ「普通の人が『性別の表記』を気にしてない(見てない)んだな」ってポジティブに受け取ることにしてる。
その方が普段の生活で自分もラクに思えるようになるので。

勿論、言われた内容や言い方、態度にもよるから、ポジティブに受け取れないこともあると思う。
以前、一度ホルモン注射のことを話した整形外科の医師から、「それで、いつまで打つの?もうやめたら?」って言われた時には、さすがに何も知らんで余計なこと言うぐらいなら、疾患だけ診察してくれればいいのにって思ったことあった。
でもねぇ・・・「やめたら?」は余計なお世話にしても、健康を最優先に考えるという職業(つまり医師)ならその言葉が出てしまうのも分からないではないし、ジェンダーや婦人科(もしくは泌尿器科)の専門医じゃないから、知らないのも理解がないのも仕方ないっちゃ~仕方なかったのかもしれない(まぁ曲がりなりにも医師なら、例え専門外でも性同一性障害の大まかな知識ぐらい持っててほしかったっていうのはあるけども)。

いろいろ思うところはあるけど、ホル治療はそういった不便も不快な思いも確実に発生してくるだろうということを覚悟の上で、それでも得たい物があったから、僕は自ら治療を選択し、結果的にパス度を上げた。
なので、状況によって「男として扱ってほしい」とか「性同一性障害者(ある意味での女性)であることに配慮してほしい」とか、極力こちらの都合や感情を押しつけないようにしてる(勿論僕も人間なので、内心思いはする)。

医療従事者なら医療従事者らしい気遣いはほしいとこだけど、彼らだって(ほとんどが非GIDの)人間で、同一性障害ではない人に性同一性障害の人間の気持ちや不便を分かれというのはおそらく無理な話なんだろう。
業務的に気を遣ったつもりでも、それがまったくGIDに通じてなかった、かえって傷つける結果になったってことも多分に起こりうる。
その辺の配慮が出来るか出来ないかって、仕事の経験値よりも人生経験や人間性によって随分変わってくるんじゃないかな。
仮に人間性を少々疑うようなリアクションされたとしたら、それはもうこちらがGIDだとかの問題とは別物だし、そういう人間は他の人にも失礼な態度とって問題起こしてるよ。
GIDってことを意識しすぎて物を見てしまうのは、自分が生きやすくあるためにもあまりプラスになるようには思えない。

僕自身だって、誰だって、気をつけてても知らず知らずのうちに人を傷つけてることはあるんじゃないかと思う。
それと同じなら(悪気がなければって前提だけど)向こうも悪いわけじゃないし、当然こっちが悪いわけでもない。
GIDというこちらの心情を主張しすぎると相手も扱いに困って余計にGIDと非GIDとの間の溝が深まりそうな気もするので、僕は流せるところは流して、流せないところはあまりシリアスにならずに、必要があれば申し出るようにしてる。

当然ストレスもある。
でも、余程じゃない限り、相手に悪意がなければ自己責任だと僕は考えてる。
治療をしなけりゃそんなストレスなくて済んだわけだけど、覚悟して治療を選んだのは自分自身だからね。
無論、覚悟なくスタートしてるってのは論外。

ここ数年でパス度が上がって非GIDの人には出来ないいろんな経験したけど、大体はジェンダーの主治医をウケさせる笑い話になってるかな。
最終的には、大抵のことに「だから何?」的な開き直りが出来る境地を目指してます(笑)。

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2013/04/20  レンタル会員証

TSUTAYAやGEOで初めて会員証を作った頃はまだホルモン治療前で、パス度も低かった。
服装だけは男性っぽかったが、戸籍上も女性なわけだし、身分証の提示も要るしで、性別欄の「男」に丸をつけるのもなんだか罪悪感があり、かな~り真ん中の「・」寄りの「女」に丸をつけたような記憶がある。
しかしまぁそんな気持ちの問題を店員は知る由もなく、「男」か「女」か、登録にはそれしかないので、おそらくその記述とその頃の見た目や声で「女」と判断、登録された(と思う)。
記憶は定かでないが、その後、TSUTAYAのTサイトに(TSUTAYA会員カードのIDで)登録した時、僕の性別は初期値且つ変更不可で「女」になっていたような覚えがある(多分サイトの情報が会員カードの基本データと共用されてるから)。

ホル注を始めてパス度が上がってくると、TSUTAYAやGEOではこう聞かれることが増えた。
「失礼ですが、ご本人様ですか?」
「このカードのご本人様はご一緒ですか?」
名前や年齢じゃこれは聞かれないと思う。
とすれば、一見してこんなこと聞かれる理由はただ1つ。
登録の性別と来店者の性別が一致していないから。
つまり、カードの登録が女なのに、カードを出してるのは男に見えるから。

最初は非常に戸惑った。
悪いことしてるわけじゃないのに、なんだか性別詐称してるような罪悪感に駆られた。
だからオドオドもしくはシブシブという感じで、うろたえながら答えてた。
ただ、ある時期から、答え方を変えてみたんだよね。
「失礼ですが、ご本人様ですか?」
「はい」
「このカードのご本人様はご一緒ですか?」
「いえ、私のですが?」
※いずれも、迷わずサラッとにこやかに。
 「何か問題でも?」的な堂々とした感じで(笑)。

それからしばらくして、段々とそういうことを聞かれなくなった。
で、最近になって、久々にTサイトにログオンする機会があったんだけど、登録の性別がいつの間にか『男』に変わっていた。
おそらくは、店員が登録時に入力ミスをしたんだと勘違いして、店側で訂正したんだと思う。
僕の本名が、男にもいないわけではない・・・って感じの名前なのも幸いだった。
向こうが勝手にそう思って直したのなら、僕も後ろめたさを持たなくて済む。
性格的に、自分で会員登録時に『男』と記載するのは、嘘ついてるようで嫌だったから。

結果的に、もう面倒な質問をされることもなくなったし、自分の手も汚さずに済んだし(爆)、気にしてなければ何とかなるもんだなぁ。
なんだか『北風と太陽』の話を思い出した。

あ、GEOのPontaカードについてはまだネットで確認してないので、後日分かったら追記します(笑)。

※5月2日追記:
本日、GEOオンラインに会員登録して、情報確認してみた。
やっぱ基本情報の性別は『男性』に修正されてました(笑)。
TSUTAYAやGEOであれだけ何度も「本人か?」って聞かれてたのに最近一切聞かれなくなった理由が、合点いきました。

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2013/04/15  GIDの扱い 友人知人編

ちょっと言葉悪いけど、GIDって、非GIDからしたら、どう接していいか分からず戸惑う部分があると思う。
ただ、これはGIDに限らない問題でもある気がする。
ほとんど全ての人は何かしらコンプレックスを持っていて、時に、無神経な人から傷つけられたり、相手に悪気がなくても傷ついてしまったり・・・っていうのは、誰でも経験してきていることなんじゃないだろうか。

だからあまりGID、GIDと、そこのところだけをクローズアップして考えない方がいいと個人的には思うし、普段は考えていないのだが、やはりGIDはGIDであるが故に性別問題でダメージを受けることも多いので、このブログではちょっと考えてみたいと思う。
あ、僕がFTMなので例えがFTMになるけど、MTFの方は逆に考えてもらえれば幸いです。

よく聞く話が、「男として扱ってもらえない」「GIDだとカミングアウトしたのに(若しくは恰好や立ち振る舞いでカミングアウトしているも同然なのに)理解してもらえない」といったような、周囲の友人関係などでストレスが生じるケース。
例えが悪いけど、ピーマン嫌いな人に「ウマいってコトを理解して欲しい」とか、猫が嫌いな人に「可愛いんだから好きになって欲しい」と言ったって、(相手に悪気がなくても)難しい。
僕自身、それを無理強いされても、ダメなものはダメだろうと思う。
分からない人にとっては(分かりたくても)理解出来ないし、受け入れることが出来ない人にとっては(受け入れたくても)受け入れることが難しいのだ。

僕自身は、自分の望む方向に近い形で扱って欲しいと求めることは、相手に気遣いを強いてしまうことにもなり、最終的には自分も息苦しくなるので避けている。
ごく自然に男として扱われればもちろん嬉しいが、気を遣って男として扱ってもらうことは(感じ取れるから)かえってしんどいのだ。
おまけに自分自身、40年も女性として扱われて生きてくれば、今更まるっきり男扱いされてもどこか違和感を覚えるというか、落ち着かない。
それならいっそ、相手の思うように、自然に扱ってくれればいいやと思ってる。
時にそれは自分にとってつらく苦しいことになったりする場合もあるけど、GIDである(生まれつきの性別ではない)以上仕方がない。
望まざる境遇に生まれる、思うように生きられない・・・ということは何もGIDに限った話じゃないから、なんでもGIDという境遇、そして性別のせいにして、ネガティブに受け取りたくない。
もっと思い通りにならない境遇に生まれて、だけどそれを言い訳にせず、自分の価値観も他人に押しつけず、強く生きてる人はたくさんいる。
出来るなら、そうありたい。

以前はよく、友人に苛立ったり怒ったりもした。
なぜそんなに苛立つのか考えたら、理解してほしい存在なのに、こちらが望むように理解してくれてないから、だった。
なんて身勝手だったんだろう。
僕を傷つけないように友人が気を遣うようになり、『理解』されているのではなく『気を遣われてる』ことにまた苛立ち、自分の価値観を押しつけ、相手の戸惑いを感じて失望し、どんどん人間関係が歪んでいった。
そんな形で男扱いされても、結局あんまり嬉しくもなかった。
性別以前に、人間として対等でない気がしてきたのだ。
逆に言えば、人間として対等になれたら、どう見られてもいい気がした。
そして、対等になれるかどうかは、相手だけじゃなく、自分の心の持ちようもデカく影響するのだ。

性別は自分という人間を構成する一部ではあるが、人は皆性別だけで生きているわけではない。
性別に違和感がある以上、普通の人より性別を意識してしまうのはごく当たり前と言うか仕方のないことではあるが、そのごく一部だけに過敏になり過ぎ、振り回されてることに自分で気づけば、逆にある程度はコントロール出来るようにもなる気がする。
差別的な考えを持つ人も確かにいるけど、性別を気にしてない人も実はかなりいる。
何故なら、非GIDの人は日常、性別なんか意識して生きてないからだ。
こちらが思うほど周りは神経質でもない気がするんだよね。

僕の理想は、『男になる』『周りに男として見られる(扱われる)』ではなく、『性別なんか意識しなくなる』ことだ。
幸い、だいぶ近い意識で生活出来るようになってきた(まだまだ修行は足りないけど)。
自分が誇示しようがしまいが、相手は僕を社会的に2種類しかない性別のどちらかに当てはめるだろう。
それを気にしていたって仕方がない。
黒く見えるものを白に見ろと強制しても無理なものは無理なのだ(強制される相手も可哀相だ)。
ただ、僕がよりストレスを感じずに済むのは『男性に見られる方』なので、その比率を上げるためにホルモン治療をしている。
それ以上のことは出来ない。
人によってはその先にオペや戸籍変更があると思うが、やはり出来るのはそこまで。
自分を見る相手の主観まではいじれない。

だから、出来ることなら、どう見られるかじゃなくて自分自身の(男でもなく女でもなくFTMという)性別自体を『気にしない』『意識しない』のが一番(思いっきり理想論でスイマセン)。
まぁ僕がそれを完璧にマスター出来ればそもそもGID治療なんか必要なくなるのだろうが、GID故、さすがに治療なしでその境地にまでは至れないだろう(笑)。
なので治療の力を借りつつ、普段、性自認を意識しないポジションまで気持ちを持っていきたい。
非GIDの人々がそうであるように。
そうすれば、いちいち性別に関わる発言でダメージを受けなくても済む。
そして、男が「男だから」とか、女が「だって女だもん」と言って時々性自認を意識するように、時々スルッと「いやいやFTMだから(笑)」と言えるぐらいになりたいね。

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