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WILD HYBRID

40歳から第2章の人生をスタートしたGID(FtM)の航海日誌 

2024/09/21  [PR]

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  • :2024/09/21/11:48

2012/10/22  震災時のホル注(追記)

先日『東日本大震災直後のホル注』という記事を書いた。
記事中の「震災など緊急事態でのホル注はどうなるだろう?」という疑問に関して調べてみた結果、気になるYoutube動画が出てきたので、追記としてご紹介したい。

映像作家の島田暁氏がアップロードされた動画で、ご自身の主催されるRainbow ACTIONのシンポジウム『被災とセクシュアル・マイノリティ』(5月5日なかのZERO小ホール)の模様だ。
映像は分割してアップロードされているが、その中のNo.14『GIDのホルモン摂取が途切れると』


動画でなくテキストで様子が知りたい方は、NHK福祉ポータル ハートネット『被災地で生活するLGBTの人たちへの支援』を参考にしてみて下さい。

少し長くなるけど、これだけでなく『被災とセクシュアル・マイノリティ』全映像PLAYLISTを通して観てみると非常に興味深い。
島田氏はこの他に、『被災とジェンダーセクシュアリティ』など、セクシュアル・マイノリティのイベント動画を多数アップロードしている。
興味のある方は島田暁氏のYoutubeチャンネルもチェックしてみて下さい。

関連リンク
『被災とセクシュアル・マイノリティ』全映像PLAYLIST
『被災とジェンダーセクシュアリティ』全映像PLAYLIST
島田暁氏のYoutubeチャンネル
Rainbow ACTION主催 島田暁氏ブログ『フツーに生きてるGAYの日常』
NHK福祉ポータル ハートネット LGBT特設サイト−虹色−
NHK福祉ポータル ハートネット テーマ別:LGBT
NHK福祉ポータル ハートネット

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2012/10/20  東日本大震災直後のホル注

2010年から2012年の間、ほぼブログをすっ飛ばしてしまった2011年?。
そんな2011年には、日本国民なら誰もが忘れられない、忘れてはならない東北の大震災があった。

僕が住んでいるのは関東首都圏で、東北ほどの大打撃はなかった。
ただ、屋内外のモノがぶっ倒れたり(160cm以上ある鏡やスタンドライトが全部倒れてた)、引き出しが全部開いてたり、積んであったCDが全崩壊していたという被害はあった。
一番ヒヤッとしたのはベランダに置いてあった車のタイヤ&ホイルだ。
ラックに重ね、カバーをかけて置いてあったのだが、それが丸ごと倒れていた(カバーかけてなかったら手すり突き破って階下に落ちてたかも・・・と思うと恐ろしい)。

震災後に起こった渋滞も凄まじかった。
特に上り方面は数時間かけて1m進むか進まないかのレベル。
電車が全線ストップしていたし、当然と言えば当然なのだが・・・。
関東で大地震が来たら、絶対に県外に逃げることは出来ないな・・・と覚悟した。

震災のあったあの頃、僕はまだホル注を3週250mg(2A)のペースで打っていた。
地震があったのは金曜日。
僕は翌週の月曜日に次のホル注の予約を入れていた。
電車は震災の翌日には動き出していたものの、まだ余震も多発していて、遠い病院に行くのは少々不安でもあり(片道2時間)、また、あの非常時、国中が混乱している最中、果たしていつも通り行っていつも通り打ってもらえるのか?ホルはあるのか?などの心配もあった。

それでも他にアテがなければ行くしかなかったのだが、奇しくも僕は以前、主治医に紹介状を書いてもらっていた。
車で30分も走らないところにある、大きな病院の婦人科医に宛てた紹介状だ。

いつかは2週125mg(1A)に量を減らそうと思っていたものの、遠い病院に隔週で通い続けることは時間的にも交通経費的にもキツイし、なんとかホルだけでも近くで打てれば・・・と、僕は前々から先生に相談していた。
その時紹介して頂いていた病院にもっと早く行っていればよかったのだが、主治医がGIDに対して非常に理解も知識もあって信頼がおけたこと(GIDの外来も多く病院のスタッフも慣れていた)、紹介先はGIDを受け入れた前例がなく、大きな病院で、初診だと時間もかかるだろうし、前例がないとなるとどういう扱いになるのか・・・と、不安もあってついつい延ばし延ばしにしてしまっていた。

しかし、今は非常事態。
できることなら状況が少し落ち着くまでは近間で済ませたい。
ダメもとな気持ちで、病院に電話をかけた。

受付の方はとても丁寧な対応だったが、非常時のため、新規は受け付けておらず予約しか診察をしていないという回答。
そこで、紹介状があること、自分がGIDで、定期的に打たなければならない注射があること、紹介状を書いて下さった先生の病院は遠くて現在の状況下で行くのは難しいこと、近くで処置をしてもらえる医療機関のアテが他にないことなどを説明した(厳密に言えば1軒だけアテがあるにはあったが、この状況下でなお行きたくないクリニックだった)。
すると、事情を聞いた医師が直接電話に出て下さり、僕の話を聞いて診療をご快諾下さった。
地獄に仏とはまさにこのことだ。

あんな時だったので初回の診察は相当待ったが、待つ時は他の科(婦人科以外の科)の前で待たせてくれたり、呼ばれる時は別の入り口から診察室に抜けさせてくれるなど、「そこまでお気遣い頂かなくても・・・?」というくらい配慮して頂き、無事初診察。
先生はとてもサバサバした気持ちのいい方で、僕の話や過去の治療歴を聞いた後、この先しばらくの注射の予約も入れておいてくれた(この病院では注射のみでも先生の診察時に予約が必要なので)。

そんなわけで、僕は震災時も周りの方のご協力でホル注を打つことが出来たのです。
本当にありがたかった。

確かに僕にとってホル注はとても重要なものだが、あの緊急時、本当に命の瀬戸際にいる人たちのニュースを見ながら、どこかで申し訳ない罪悪感を感じることもあった。

あの時、人工透析を始め、緊急性のある医療処置を必要としている方たちがたくさんいた。
被災地ではそのための医療機関・設備・医薬品が足りず、被災地ではないこちらでも医療機関はそういった人たちを最優先に診療していた。

極端な話で言えば、僕はホル注を打てなくても死にはしない(ホルモンバランスが崩れて体調は壊すかもしれないが)。
それでも、次のホル注の予定日が迫っていたために、アセッたし不安だった。
処置してもらわなければ命に関わる人たちのアセりや不安や恐怖は、そんな僕の想像をはるかに超えるものだったろうと思う。
医師も病院のスタッフも、あんな時でもとても親切な対応をして下さったので、それがかえってなんだか申し訳ない気持ちにもなった。

また、被災地にもたくさんいると思われるGIDのことも頭に浮かんだ。
あれだけのケガ人や死者の出た現地で、しかも医療機関や医薬品が足りずに、重度な疾患があったりケガをした人などが優先される中、ホルが打てずに困っていた人もたくさんいただろうと思う。
家屋や家財が流された人の中にはFtMやMtFの方もいて、生活上必要不可欠品(FtMならナベシャツとか)を流されてしまった人もたくさんいたんじゃないだろうか。
また、長期に渡る避難所暮らしでプライバシーを保てない中、風呂などで苦労をした人も少なくはなかったはずだろう。
他にも、GIDだと隠していたのに知られてしまった人、そのためにイヤな思いや差別を味わった人・・・いなければいいのだが、たくさんいるような気もする。

流れるニュースを見ながら、もしここに自分がいたら・・・といろいろなことを考えた。
しかしこれはけして他人事ではない。
今やいつ自分がその立場になってもおかしくはないのだ(東海沖だけじゃなく、千葉東方沖だの東京湾直下だの、果ては富士山噴火まで近いと言われている昨今で)。

その時、どうするか。どうすればいいか。
勿論、まずはGIDだなんだっつーこと抜きで生き残ることと助け合うことがミッションだが、その次に、襲ってくるであろうGID以外の人には分かってもらえない深刻な状況をどう乗り越えるか。
ちょっと真剣に考えてみたいと思う。

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2012/10/17  ホル注3年間のペース&分量

もうそろそろ、ホル注を始めて約3年になる。
長かったようで短かったこの3年。
「打つのか打たないのか」とか、「打ったらどうなるのか」とか、小さな期待とドでかい不安とに胸を膨らませたり押し潰されりしながら毎日毎日迷いに迷っていたあの頃が、なんだかまだ最近のことのような気がしてならない。

いつの間にか、ホル注は僕の日常になり、2週間に一度、大して何も考えず当たり前のように打ちに行くようになった。
あれだけ気にしていた身体の変化も、ほどほどで緩やかに変わったが気にならなくなった。
あれだけ気にしてた骨格などのコンプレックスも、そこまで変わったわけじゃないのに気にしなくなった。
あれだけ感じてた生活しづらさや生きにくさも、変化のお陰で改善されたというよりは、メンタル面で悩まなくなり、むしろ楽しめるようにさえなった(楽しめない場面もあるけど)。

ある意味、ホルモン注射は僕にとって、身体の変化をもたらしてくれるものというよりも精神安定剤なのかな?なんて思えてくる。

かと言って別に依存してるという感じでもなく、時々話に聞く「ホルモン切れ」的なものを感じて切迫した気分になったこともそんなにはない。
さすがに、震災の後で毎回行っていた病院まで行けなくなった時だけはアセッたけど・・・。

注射の日を忘れそうになることもよくある。
それでもこの3年間欠かさず、ほぼズラすこともなく打ちに行っているのは、けしてホルモン切れへの切迫感からではなく、身体のリズム(ホルモンのリズム)を狂わしたくないためだ。
程良い決まった量を定期的に入れてやることが、身体にとっては最も負担にならないので。

そんな感じで、いつの間にやら当り前な感じで3年。
もうぼちぼち変化も落ち着いて、ブログに書くこともだんだんなくなってきてしまった。
まぁ突発的な面白いエピソードなんかはあるので、サボってるだけって噂もあるけど・・・(汗)。
ともかく、変化については本当にだいぶネタがなくなってきてしまっているから、そろそろ3年という一区切りを迎えて、これからはホル前(若しくはホル初期)と現在との変化の比較をまとめてみようかなぁと思っている。
ここを読んでくれてる人(おそらくはホル前で悩んでる人とかホル注始めたばかりで不安のある人などが多いのでは?)からすれば、最も興味のある話ではないかとも思うので。

一気に書くととんでもなく長くなるから、それこそ頭から足までのパーツ毎、そして症状や副作用、メンタル面まで毎回1つずつ書いていく予定なのでどうぞよろしく。

その前に、何よりもまず、ホルモン注射で悩んでいる人に真っ先に見てほしいのが下記サイトのテキストだ。
僕もホル注を始める前にネットでいろいろと情報を収集したけど、恐ろしいほどのガセネタもあって、今考えるとほんとにネットの情報というのはピンキリで怖いなぁと思う。
正しい情報と誤った情報を自己判断で選別できればいいが、出来ない人が誤った情報を信じた場合、悲劇が起こる。
下記のサイトに書いてあるホルモンに関しての情報は、僕が専門医から聞いた情報とほぼ相違なく、正しいホルモンの知識を得るには役立つと思う。
必ず正しい知識を理解してから、ホルモン治療を始めましょう。
検討した結果、勇気ある撤退という選択肢も、僕は全然アリだと思います。

性同一性障害の人のためのホルモン療法の基礎知識
http://www5e.biglobe.ne.jp/~gfront/d-hormone.html


さて、変化のまとめを書き始めるにあたって、前書き的に書いておきたいのが、ホル注のデータ。

データと言っても、今まで打った60数本全部書き出すって意味のデータじゃないからご安心を(笑)。
ホル注に関して、打つ間隔、量など、気になっている人も多いと思うから、ご参考までに過去のデータをまとめておきます。

2009年10月 250mg(2A)/初回(次は4週間後) ※Aはアンプルの意
2009年11月〜2010年06月 125mg(1A)/2週間ペース  計17回
2010年07月〜2010年08月 250mg(2A)/2.5週間ペース 計03回
2010年09月〜2011年09月 250mg(2A)/3週間ペース  計19回
2011年10月〜2012年現在 125mg(1A)/2週間ペース  計27回(今日現在)


ざっと書き出すとこんな感じかな。
注射した部位は全て臀部・・・つまりケツです(笑)。
毎回、右と左で替えて、交互に注射してます。
同じところに打ち続けるとそこが硬化してくこともあるという話なので、それを少しでも避けるために。
僕の場合、他の部位には打ったことがないな。

筋注だから筋肉にならどこでも打っていいはずだけど、スタンダードは臀部、続いて腕(肩付近?)らしい。
腕は、臀部を出すのが恥ずかしい人(特にMtFさんとか)などが希望すること多いとナースに聞いた。
筋肉の落ちたMtFさんならまだマシかもしれないけど、筋肉ある人なんかだと腕は痛いらしい。
デポー剤だからしばらく残るわけで、その間痛みがある時は尻より腕の方が不便っぽい。
身体の中で筋注できる部位では臀部が最も痛みを感じにくいとのこと。

僕の場合、初回は何故か250mg(2アンプル)打った。
なんで2アンプルにしたんだろう???
もう覚えていないけど、医師の指示ではなく僕の希望だったのは確か。

身体の負担を考えて、3週で250mgを打つつもりはなかったので、2週で125mgか4週で250mgかで悩んでいた。
当時は片道2時間かかる病院まで打ちに行くしかなく、かかる時間と交通費とを考えたら4週で250mgの方が圧倒的に経済的だからそうしたんだと思う。
しかし、250mgを4週間の間に、一度で打つか、二度に分けて打つかでは後者の方が身体の負担も軽く、また、ホルモン数値も安定しやすいという医師からの話もあったため、2009年11月の二回目以降はしばらく2週に125mgというペースで打っていた。
この年齢でこの量でも、充分変化は見られた。
ホルモンの効果は、年齢が上がれば上がるほど出にくいと言われているけれど、打って数日で外性器が肥大し始めたし、1〜2週間で声も変わり始めた。

その後、ホル注を始めて9ヶ月目の2010年07月に不正出血が発生。
2週に125mgという量が足りなかったんではなく、僕はもともと不正出血をしやすい体質で、その頃いろいろとストレスがあったりしたから起こったんだと思う。
僕は10代の頃から不正出血に悩まされていたこともあり、不正出血には嫌悪感が著しく、メンタル面でも過敏だった。
そのため、内診や癌検査などをしてもらって病的な所見がないことを確認した上で、出血を抑えるため一時的にホルモンを増量した。
それが2010年07月〜2010年08月に3回打った、2.5週に250mg(2アンプル)というペース。

この時は、さすがに少々副作用のキツさを感じた。
2週125mgの時も副作用はあったけど、確実にその時よりも強かった。
僕の場合は主に動悸とか頭の鬱血感とか。
元々ホル注前から血が濃かったのが、更に濃くなり、つまりは多血症に近い状態になった。
男性正常値(男性正常値の方が女性正常値より高め)の上限を若干オーバーしたのもこの頃だ。
ホルの量が増えた分、変化の進行も多少は早かったとは思うが、そんなに著しいほどではない。
ホルの効果は必ずしも投与量に比例するわけじゃなく、頭打ちになる限界の量があるし、それ以上打っても身体に負担をかけるだけで人にもよるが副作用もきついので、僕はあまりお勧めしない。

3回打つ頃には不正出血はしっかり止まったが、いきなり元の量まで大幅に減らすのも心配だったから、2010年09月から、結果的には2011年09月までの1年間は、3週に250mg(2アンプル)というペースで打った。
2.5週に250mgより若干副作用も軽くはなったけど、それでもやっぱり身体に負担かかってる感はあったかな。

今思い返せば、やはり2週に125mgというペースが僕には一番合っているんだと思う。
副作用の不快感は、延々年がら年中というわけじゃなく、強くなったりそうでもなかったり波があるのだが、それが必ずしも注射のタイミングと合っているというわけでもなかった。
きっとその時の身体のコンディションだとか、吸収されてくペースだとか、いろんなものに影響されてるんだと思う。

そして2011年10月、身体の変化もぼちぼち落ち着いてきて、不正出血などの兆しもあれ以来なく、震災を機に近くの病院で打てる環境が出来たため、2週間に125mg(1アンプル)という元来の量とペースに戻した。
ホルモンの作用として、髪の生え際の形が女性らしい丸型から男性らしい四角型に変わるという変化があるのだが、なんだかそれだけじゃなく後退してきてるような気がしてビビったというのもきっかけの一つだった(爆)。

やはり一度に2アンプルを入れるというのは、身体への負担もやや大きい気がする。
人とか年齢とか体質とかによるんだろうけど、僕の場合はそう感じた。
若干ではあるが量を減らし、一度に身体に入れる量も減らしたことで、なんとなくだけどホルモン値が安定してる感はある。
逆に、効きが悪くなった的な実感はほとんどない。
反面、副作用症状は、今でも多少あるものの、以前よりは全然らくになった。
余談だが、副作用の不快症状の中には更年期障害的な症状がある(のぼせや動悸など)。
しかし僕の年齢になると、それがもうホル注によるものなのか加齢によるものなのか分かりにくくて困る(笑)。

この分量とペースにしてから、現在約1年経過した。
2週に一度打つのは面倒だというのはなくもないけれど、3週に一度だって大差ない気もする。
以前、3週に一度片道2時間かけて通ってたことを考えれば、2週に一度でも片道30分程度の病院で打ててる今はそれほど面倒にも感じない。
ホルモン治療により詳しい婦人科の先生は片道2時間の方の病院なので、時折はそちらにも行って相談することもあるけど、普段は近くの病院で打ってもらえるから環境的にはこれで充分だと思っている。
特に何か(不正出血などの)問題がない限りは、ペースや量を変える予定もない。
3年目なので変化はほぼほぼ落ち着いては来ているものの、ゆっくりと未だに変わっている。
どこがどう変わってる?という話はまた今後に。

とりあえず、今日現在までのホルモン治療3年間の流れは、こんな感じでした。

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2012/10/16  メールフォーム

需要があるかは分からないんですが(^_^;)、メールフォームをこの記事と右カラム下側に設置しました。
パブリックなコメント欄以外の接点ということで。

GID関連の疑問や不安、親近者のご相談など、僕は医師ではないし、専門家もでもないし、あくまで当事者としての個人的な意見しか言えないですが、もし何かあればメールフォームからお気軽にメールください。
数日かかるかもしれませんが、必ず返信します。



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2012/10/15  ミクロゲンパスタについて

ミクロゲンパスタの情報や効果について検索している方が多いようなので、僕の知っている限りの情報と実際に僕の使用した感想をまとめてみたいと思う。
以前、使い途中に一度感想を書いたのだが、あまりにもざっくりすぎて、ミクロゲンパスタが医薬品であることや使用上の注意が必要なことまできっちり書けなかったので・・・。
内容的には前回と重複する部分も多々あると思いますが、どうか御勘弁ください。

『ミクロゲンパスタ』とは、第一類医薬品の塗り薬である。
製造販売元の啓芳堂製薬株式会社の説明では、下記のように記載してある。

まゆ毛を濃く育てたい方、体毛が満足に生えないでお悩みの方へ。
顔と体に生える硬毛の生育に効くクリーム状の外用剤です。
毎日1〜2回、目的の部分へ塗るだけでよいのですが、即効性ではありませんから、2〜3週間以上続けてお使い下さい。
男性、女性いずれにも有効ですが、頭髪とマツ毛には使用できません。
この医薬品は、薬剤師から説明を受けて、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。


外用発毛促進育毛剤ミクロゲンパスタ(製造販売元:啓芳堂製薬株式会社)の基本情報


クリーム状の発毛促進育毛剤で、主成分はテストステロン。
つまりは男性ホルモン。
第一類医薬品については、Wikiに下記のように説明されている。

その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうち、特に注意が必要なものや、新規の医薬品。後述するスイッチOTCやダイレクトOTCが該当する。
販売できるのは薬剤師の常駐する店舗販売業や薬局のみである。
薬剤師が、情報提供を購入者に積極的に説明する義務がある。
その為、全ての製品において、広告では「この医薬品は、薬剤師から説明を受け、使用上の注意をよく読んでお使いください」と表示される(ただし、第一類医薬品の風邪薬・解熱鎮痛薬においては表示内容が一部異なる)。
このため、店舗販売業において薬剤師が不在になった場合は販売できない。
また、通信販売での入手は原則不可となっている。
なお、薬局では薬剤師が不在となった場合は、店舗自体を閉める必要がある。
第一類医薬品は薬剤師による情報提供が必要であり、購入者から情報提供不要の申し出があった場合においても、薬剤師が必要と判断した場合には、積極的に情報提供を行わせる必要があること。
また、薬剤師以外が情報提供を行うことがないよう(相談は可)、登録販売者または一般従事者から薬剤師への伝達の体制及びその方法を手順書に記載することが望ましいこととされている。
なお、薬事法第36条6項4号で医薬品を購入し、又は譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があった場合には適用しないこと。
ただし、相談があった場合は全ての医薬品について義務となっている。
店舗における登録販売者および一般従事者による販売・授与は、薬剤師の管理・指導の下で可能とされている。


要するに、ネットで手軽に入手するのは難しい部類のものだ。
FtMのサイトLAUXES(旧アジアンドラッグ)には、2009年6月の改正薬事法によりネット販売が出来なくなったと書いてある。
僕が入手したのはネットだったが、個人輸入的な扱いで、購入の際「過去に購入した事はあるか?」などの質問をされた。
販売店の説明書きには下記のようにある。

「ミクロゲンパスタ 6g」は、2種類のテストステロン(男性ホルモン)を主剤につくりあげた、吸収されやすいクリーム状の発毛促進育毛剤です。
頭髪以外のヒゲ・胸毛・性毛などの硬毛は、男性ホルモンの働きがその生育に影響していると考えられています。そのため本品を塗布することにより、マユ毛・ヒゲ・胸毛・腋毛・性毛など、頭髪以外の部分に生える硬毛の発毛促進に効果があります。


とりわけヒゲや体毛を望むFtMにとっては気になる製品で、例にも漏れず、数年前僕も気になった。
勿論FtMだけでなく、眉や体毛、ヒゲが薄くコンプレックスに思っている男性にとっても気になる製品だと思う。

僕はとにかく女性も羨むほどの無駄毛の無さで(笑)、腕や足の無駄毛処理など一度もしたことがなかったほど何も生えていなかった。
ただ、あまりに無駄毛がない故に、眉も多少薄く、何よりモミアゲも遅れ毛すら皆無で、男性らしさを求めるには厳しい状況だった。

同じような人にしか分からないと思うが、髪を短くしても、モミアゲがないとかえって女性らしさが際立つ。
最近はホスト系のヘアスタイル(?)で、サイドの髪を多めに残してモミアゲ風にするというスタイルもあったりするが、それは僕の望んでいるものではない(御不快に思われたら申し訳ないのですが、ただ単に昭和世代の感覚のズレです)。

そんなワケで、ホルモン治療をしたい理由の中のひとつには「モミアゲが欲しい!」というのも結構大きかった(笑)。
もちろんヒゲが欲しいというのもあったけど、治療始めた年齢が年齢で半分あきらめていたので、モミアゲの方が切実だった。

しかし、ただでさえ毛が薄い体質故ホル治療だけでは不安で、何かないかと調べていたらミクロゲンパスタに辿り着いたのだ。
6gで700円台(送料別)という手頃さもあり、僕は早速2本セット1400円弱というのを購入して試してみた。

本来は1日1〜2回の塗付らしいが、クリームでベタベタするため、寝る時のみ、1日1回だけ塗付した。
ベタベタするというだけじゃなく、臭いがたまらん?というのもあった。
気になるならないは個人差あるのかもしれないけど、なんだかオヤジくさい臭いがするのだ(泣)。
オヤジのちょっと脂っぽい臭いというかなんというか・・・。
いや、年齢的にオヤジ云々言える立場ではないが(汗)、1日中この臭いと過ごすのは嫌で、寝る時だけオヤジの臭いに包まれて眠った(涙)。
また、副作用として、主成分がテストステロンだけに、ニキビ(吹き出物)なども懸念されたので、ほどほどで試すことにした。

既にホル治療を始めていたから、ミクロゲンパスタ単体のはっきりした効果については曖昧だ。
効果がミクロゲンパスタによるものなのか、ホル注によるものなのかは、自分でもよく分からない。
だから、もしこの記事を男性が読んでいたら、参考にはならないかもしれない(汗)。
しかし、男性は僕の打っているテストステロンを自家生産しているわけで、条件は近からずにしても遠からずなんだろうか?

結論ははっきりと言えないが、感想としては、若干は効果ある・・・かも?という感じだった。
僕は主にモミアゲ、ついでに眉と口まわりに塗っていたけれど、少しは濃くなった気がした。
ただそれがホル注による変化だったのか、ミクロゲンパスタによるものなのかは何とも言えない。
個人差もあるだろうし、価格的には手頃だから、試してみるのも悪くないと思う。
使用方法を誤らなければ、気持ちの面での安心感や期待感が得られるというのはあるかもしれないし。

結局、僕は1本6gを1本半使用したところで、いつのまにか中止してしまった。
ニキビや皮脂が気になったというのもあった。
また、注射でテストステロンを投与している関係上、過剰摂取が心配になったというのもある。
塗付したテストステロンは皮膚から吸収され、結局は肝臓を経由して身体に行きわたるからだ(ちなみに注射も経口錠剤なども当然肝臓を経由する)。

ホル注も、いくら多量投与しても、ある数値から頭打ちになる。
効果の量というのは、個人差はあるが決まっていて、多量摂取及び投与したからといって比例して効果が出るわけではない。
過剰に投与すれば、肝臓などの臓器に負担をかけるだけの結果となる。
そんなわけなので、FtMも男性も使用は適量をほどほどに・・・と思います。
どうかあまりムチャはしないでください。

余談ですが、ミクロゲンパスタと似た薬品で、大東製薬工業の『グローミン』という製品もあります。
こちらも主成分は男性ホルモンのテストステロンとなります。
ただし、こちらは外用育毛剤のミクロゲンパスタと違って、経皮吸収テストステロン軟膏剤と記載されており、効能は下記のようになってます。

男性ホルモン分泌不足による性器の神経衰弱の諸症即ち勃起力減退、早漏、陰萎、性欲欠乏、性感減退、遺精、睾丸欠落症、先天性睾丸発育不全。脳下垂体性腺ホルモンが無効の潜伏睾丸。女性恥部無毛症、乳汁の分泌抑制。


経皮吸収テストステロン軟膏剤グローミン(製造販売元:大東製薬工業)の基本情報

【大東製薬工業】男性ホルモンの補充に「グローミン」公式ページ


テストステロンが主な成分だから同じようなものだとは思うんだけど、こちらの方は10gで4500円とちょっと高価・・・(汗)。
いずれにしても、使用説明をよく把握して、安全に使用して欲しいと思います。
特に、FtMはホル注で既に身体に負担をかけているわけだから、慎重に(出来れば主治医と相談してから)使用してください。

最後に、注意書きにもあると思うけど、絶対守った方がいいのは頭髪・頭皮に塗らないこと!
頭髪・頭皮に塗りたい人は、薄毛や生え際の後退を気にしてのことだと思いますが、余計にハゲる恐れがあります。
少なくとも、頭髪が増える、太くなることはないと思われますので、くれぐれもご注意ください。

男性ホルモンは元々、加齢と共にハゲる効果というか作用があります(勿論個人差ありますが)。
と、いうよりも、男性の副腎で作られている女性ホルモンが頭髪が薄くなるのを抑制してくれています(そのため女性も閉経後は著しい女性ホルモンの減少で薄毛になったりします)。
ですから、例えばFtMが男性ホルモンの投与を始めると、同じように薄毛のリスクは上がります。
男性と女性では、男性ホルモンと女性ホルモンの対比量は逆の形で絶対数が違いますけどね。

いくら体毛が濃くなるといっても、ミクロゲンパスタ(若しくは類似の男性ホルモン剤)を頭皮・頭髪に塗ってしまうと、髪が生えたり太くなるどころか、逆に更に薄くなる恐れが出てきます。

また、男性の場合、前立腺肥大の方はくれぐれもご使用をお控えください。
前立腺肥大自体が、男性ホルモンによる症状ですので、更に男性ホルモンを補充してしまうと悪化する恐れがあります。

その2点だけは、くれぐれも勘違いやムチャをしないように、医薬品ですので使用上の注意書きをよく読んでから正しくご使用ください。

余談ですが、ヒゲに関しては、株式会社ジェイワイから販売されている『髭レーベン』という医薬部外品がありました(使ってないので効果のほどは分かりませんが)。
頭髪の育毛剤ってあれだけ種類あるのに、ヒゲをターゲットにした商品って意外とないんだなぁ・・・。
海外から個人輸入するような成分の分からない怪しい品物まで検索範囲に入れればもっとあるのかもしれないけど・・・育毛剤で検索すると成分的に結構ヤバい物もあるらしいのであまりお勧めはしないです?。


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